【2026年最新版】飲食店の家賃はいくらが適正?家賃比率10%・15%・20%で利益はどう変わる?月商300万・500万・1,000万円の収益を徹底比較|居抜きの達人(運営:(株)愛知不動産売却センター)
名古屋で飲食店を開業・経営するオーナー必見!適正家賃・家賃比率・損益分岐点・利益率・必要客数を徹底解説|居抜きの達人
はじめに|飲食店の家賃は売上の10%以内が理想?本当にそれだけで判断していいのか
「飲食店の家賃は売上の10%以内に抑えた方がいい」
飲食店を経営されている方や、これから新規開業を考えている方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
確かに、飲食店経営において家賃は非常に重要な経費です。
食材費や人件費と並び、店舗の利益を大きく左右する要素の一つといえます。
しかし、本当に家賃比率10%であれば安心なのでしょうか。
反対に、家賃比率15%や20%の飲食店は必ず赤字になるのでしょうか。
結論から申し上げると、家賃比率10%前後は一つの目安ですが、15%だから必ず赤字、20%だから必ず経営が失敗するというわけではありません。
業態、立地、客単価、原価率、人件費、回転率などによって、適正な家賃比率は大きく異なります。
例えば、同じ月商500万円の飲食店でも、次のような違いがあります。
・店舗A:家賃50万円(家賃比率10%)
・店舗B:家賃75万円(家賃比率15%)
・店舗C:家賃100万円(家賃比率20%)
家賃比率10%の店舗と20%の店舗では、毎月50万円もの差があります。
年間にすると600万円です。
仮に、ほかの売上や経費がすべて同じであれば、家賃の差額はそのまま営業利益の差につながります。
月商500万円、年商6,000万円の飲食店にとって、年間600万円の差は決して小さくありません。
営業利益率に換算すれば、10ポイントもの違いです。
実際の飲食店経営では、売上を増やすことばかりに意識が向きがちですが、家賃の設定を間違えると、どれだけ頑張って営業しても十分な利益が残らなくなる可能性があります。
特に名古屋市では、栄、錦三丁目、名駅、金山、大須、今池など、繁華街によって店舗賃料の水準や集客の特徴が異なります。
人通りが多いからという理由だけで高額な家賃の店舗を契約してしまうと、開業後の経営が想像以上に厳しくなることもあります。
そこで今回は、名古屋市を中心に飲食店の居抜き売却・店舗売却をサポートする「居抜きの達人」が、飲食店の適正家賃について詳しく解説します。
前編では、家賃比率10%・15%・20%による利益の違い、月商別の適正家賃、必要客数、業態ごとの特徴などを具体的な数字で比較します。
すでに飲食店を経営している方はもちろん、新規開業や店舗移転を考えている方にも参考にしていただければ幸いです。
第1章|飲食店の家賃比率とは?まずは基本の計算方法を理解する
1-1.家賃比率とは何か?
家賃比率とは、売上高に対して店舗家賃が何%を占めているかを示す指標です。
計算方法は非常に簡単です。
家賃比率(%)=月額家賃÷月間売上高×100
例えば、月額家賃30万円の飲食店で、月商が300万円だった場合、
30万円÷300万円×100=10%
となります。
つまり、売上の10%を家賃として支払っていることになります。
同じ店舗で売上が200万円に減少した場合には、
30万円÷200万円×100=15%
です。
家賃の金額が変わらなくても、売上が減少すれば家賃比率は上昇します。
この点が飲食店経営において非常に重要です。
1-2.家賃は簡単には減らせない固定費
飲食店の経費は、大きく固定費と変動費に分けられます。
食材費などは売上の増減によって変動しやすい経費です。
一方、家賃は通常、売上が減少しても毎月一定額を支払わなければなりません。
例えば、売上が500万円から300万円へ減少しても、家賃50万円の契約なら、原則として50万円の支払いが続きます。
売上500万円のときの家賃比率は10%ですが、売上300万円になると約16.7%まで上昇します。
さらに売上が250万円になれば、家賃比率は20%です。
このように、売上減少によって家賃負担が重くなることが、飲食店の経営を圧迫する大きな原因になります。
1-3.家賃には共益費や管理費も含めて考える
家賃比率を計算する際に注意したいのが、共益費や管理費です。
例えば、次のような店舗があったとします。
・家賃:月額30万円
・共益費:月額5万円
・合計:月額35万円
この場合、実際の固定費負担は35万円です。
月商300万円なら、賃料だけで計算した家賃比率は10%ですが、共益費を含めると約11.7%です。
また、看板使用料や商業施設の販売促進費など、店舗を使用するために継続的に必要な費用が発生する場合もあります。
したがって、経営計画では家賃だけを見るのではなく、店舗使用に伴う毎月の固定負担を合算して判断することが大切です。
なお、課税事業者の税抜経理を前提とする場合には、売上と賃料の両方を原則として税抜金額に統一して比較します。
第2章|飲食店の理想的な家賃比率は何%?10%・15%・20%を比較
飲食店経営では、家賃比率10%前後を一つの目標とする考え方が広く使われています。
しかし、それぞれの比率がどのような意味を持つのかを理解することが大切です。
2-1.家賃比率10%は一つの理想的な目標
家賃比率10%は、多くの飲食店が経営計画を立てる際に参考にする数字です。
例えば、月商500万円の店舗なら、家賃は50万円です。
食材原価率30%、人件費率30%と仮定すると、
・食材費:150万円
・人件費:150万円
・家賃:50万円
・合計:350万円
となります。
この3項目だけで売上の70%を占めます。
残り150万円から、水道光熱費、広告費、決済手数料、消耗品費、減価償却費などを負担します。
家賃比率が10%に収まっているからといって必ず利益が出るわけではありませんが、収益構造を組み立てやすい水準の一つといえるでしょう。
2-2.家賃比率15%は高すぎるのか?
家賃比率15%になると、店舗の収益構造に注意が必要です。
月商500万円の場合、家賃は75万円です。
家賃比率10%の店舗と比較すると、毎月25万円の負担増加です。
年間では300万円になります。
ただし、家賃が高い店舗には、駅前立地、視認性、集客力などの強みがある場合もあります。
例えば、同じ15坪の飲食店でも、駅から離れた立地と繁華街の路面店では、期待できる客数や客単価が異なることがあります。
重要なのは、家賃75万円の店舗が、家賃50万円の店舗よりも十分な売上や利益を生み出せるかどうかです。
追加の家賃25万円以上の利益貢献が見込めるのであれば、高い家賃を支払う合理性が生まれる場合があります。
2-3.家賃比率20%は危険なのか?
家賃比率20%になると、多くの飲食店では慎重な収益計画が必要になります。
月商500万円なら家賃は100万円です。
毎月の売上の5分の1が家賃として支出されます。
ここから食材費、人件費、水道光熱費などを支払うため、利益の確保が難しくなる場合があります。
ただし、家賃比率20%でも、低原価率の業態や非常に高い客単価、少人数で運営できる店舗では、利益を確保できる可能性があります。
反対に、原価率と人件費率が高い飲食店では、家賃比率15%でも経営が厳しくなることがあります。
家賃比率だけで黒字・赤字を決めることはできないのです。
第3章|月商300万円・500万円・1,000万円の適正家賃はいくら?
ここでは、実際の売上を基準に家賃比率を比較してみましょう。
以下はすべて税抜売上・税抜家賃を使用した計算例です。
3-1.月商200万円の飲食店
月商200万円の店舗では、家賃比率によって次のような違いがあります。
・家賃比率10%:月額20万円
・家賃比率15%:月額30万円
・家賃比率20%:月額40万円
家賃比率10%と20%では、毎月20万円の違いがあります。
年間では240万円です。
小規模な飲食店にとって、年間240万円の固定費差は非常に大きなものです。
3-2.月商300万円の飲食店
月商300万円の場合、家賃比率は次のようになります。
・家賃比率10%:月額30万円
・家賃比率15%:月額45万円
・家賃比率20%:月額60万円
家賃比率10%と20%の差額は毎月30万円になります。
年間では360万円です。
年商3,600万円の飲食店にとって、年間360万円は非常に大きな金額です。
仮に家賃30万円の店舗で年間利益180万円を確保できている場合、売上とほかの経費が同じまま家賃が60万円に増えると、年間利益は180万円の赤字へ変わります。
ただし、立地の違いによって売上が増加する可能性もあるため、単純に家賃だけで店舗を比較することはできません。
3-3.月商500万円の飲食店
月商500万円の店舗では、次のようになります。
・家賃比率10%:月額50万円
・家賃比率15%:月額75万円
・家賃比率20%:月額100万円
家賃比率10%と20%の差は年間600万円に達します。
仮に家賃50万円の店舗で年間営業利益300万円を確保している場合、ほかの条件が変わらず家賃が100万円になれば、年間営業損失300万円となります。
月商500万円という売上があっても、家賃設定によって経営状態が大きく変わることが分かります。
3-4.月商800万円の飲食店
月商800万円の店舗では、
・家賃比率10%:月額80万円
・家賃比率15%:月額120万円
・家賃比率20%:月額160万円
となります。
家賃比率10%と20%の差は、毎月80万円です。
年間では960万円にもなります。
売上規模が大きい店舗では、家賃比率の違いが非常に大きな金額となって表れます。
特に大型居酒屋や焼肉店などでは、客数を増やすために従業員や設備の負担も大きくなる場合があります。
家賃だけでなく、店舗全体の収益構造を慎重に確認する必要があります。
3-5.月商1,000万円の飲食店
月商1,000万円の店舗なら、次のようになります。
・家賃比率10%:月額100万円
・家賃比率15%:月額150万円
・家賃比率20%:月額200万円
家賃比率10%と20%の差額は毎月100万円です。
年間では1,200万円です。
仮に家賃100万円の店舗で営業利益率10%を確保できている場合、年間営業利益は1,200万円です。
ほかの条件がすべて同じまま家賃が200万円になれば、年間営業利益はゼロになります。
売上が大きい飲食店ほど、家賃比率のわずかな違いが絶対額として大きな経営負担になるのです。
第4章|家賃比率10%・15%・20%で利益はどう変わる?月商500万円で徹底比較
ここからは、月商500万円の居酒屋をモデルに、家賃の違いが営業利益に与える影響を詳しく分析します。
次の数字は、家賃だけを変えた比較用の仮想モデルです。
4-1.家賃以外の経費を同額とした場合
月商500万円の飲食店について、家賃以外の経費を合計400万円と仮定します。
内訳は以下のとおりです。
・食材費:150万円
・人件費:150万円
・水道光熱費:30万円
・広告宣伝費:15万円
・決済・予約サイト等手数料:20万円
・消耗品・減価償却費・その他:35万円
合計400万円です。
この条件で家賃だけを変えてみましょう。
4-2.家賃比率10%の場合
月商500万円、家賃50万円の店舗を想定します。
・月間売上:500万円
・家賃以外の経費:400万円
・家賃:50万円
・月間営業利益:50万円
・営業利益率:10%
・年間営業利益:600万円
このモデルでは、年間600万円の営業利益を確保できます。
ただし、ここから借入利息や法人税等が発生する場合があり、営業利益600万円すべてが手元に残るわけではありません。
さらに借入元本返済や設備投資なども考慮する必要があります。
それでも家賃の負担が比較的軽いため、経営に余裕を持ちやすいモデルです。
4-3.家賃比率15%の場合
続いて、家賃75万円の場合です。
・月間売上:500万円
・家賃以外の経費:400万円
・家賃:75万円
・月間営業利益:25万円
・営業利益率:5%
・年間営業利益:300万円
家賃50万円の店舗と比較すると、営業利益は半分になります。
家賃比率が5ポイント上昇しただけで、営業利益率は10%から5%へ低下します。
ここで注意したいのは、家賃が25万円上がったからといって、単純に売上を25万円増やせば同じ利益に戻るわけではないことです。
追加売上には食材原価などの変動費が発生するためです。
4-4.家賃比率20%の場合
さらに家賃が100万円になった場合です。
・月間売上:500万円
・家賃以外の経費:400万円
・家賃:100万円
・月間営業利益:0円
・営業利益率:0%
・年間営業利益:0円
今回のモデルでは、月商500万円、年間売上6,000万円を達成しているにもかかわらず、本業での利益が残りません。
さらに借入利息が発生すれば、ほかの損益次第では税引前赤字となる可能性もあります。
このような状態で売上が減少したり、食材価格が上昇したりすると、経営はさらに厳しくなります。
ただし、家賃比率20%の飲食店がすべて赤字という意味ではありません。
低い食材原価率や少人数での運営を実現できれば、営業利益を確保できる店舗もあります。
4-5.同じ月商500万円でも年間600万円の利益差
今回のシミュレーションを整理すると、次のようになります。
家賃比率10%の場合、年間営業利益は600万円。
家賃比率15%の場合、年間営業利益は300万円。
家賃比率20%の場合、年間営業利益は0円。
売上はすべて年間6,000万円です。
それにもかかわらず、家賃の違いだけで年間営業利益に最大600万円もの差が生まれました。
これは飲食店にとって非常に大きな違いです。
家賃は一度契約すると簡単には減らせない固定費だからこそ、開業前の段階で十分な収益計画を立てる必要があります。
第5章|高い家賃を払うなら売上はいくら増やす必要がある?
飲食店の物件選びで重要なのは、家賃の金額だけではありません。
高い家賃を支払うことで、それ以上の利益を生み出せるかどうかです。
例えば、家賃50万円の店舗から家賃75万円の店舗に移転するとします。
毎月の固定費は25万円増加します。
では、その25万円を回収するために、売上をいくら増やす必要があるのでしょうか。
5-1.売上25万円増加では不足する場合がある
仮に追加売上に対する変動費率を40%とします。
この場合、売上が100万円増加すると、追加変動費が40万円発生し、利益の増加額は60万円となります。
つまり、追加売上に対する限界利益率は60%です。
家賃増加額25万円を補うには、
25万円÷60%=約41万7,000円
の追加売上が必要となります。
つまり、毎月25万円の家賃増加を補うために、約42万円の売上増加が必要という計算です。
5-2.家賃50万円から100万円になる場合
同じ条件で家賃が毎月50万円増える場合、
50万円÷60%=約83万3,000円
の売上増加が必要となります。
月商500万円の店舗なら、約583万円まで売上を増やして、ようやく家賃増加分を補える計算です。
これは、追加売上に対する変動費率が40%で一定、その他の固定費が増加しない場合の計算です。
実際には、売上増加によって追加スタッフが必要になったり、水道光熱費が増えたりする場合があります。
したがって、家賃が高い物件を選ぶ場合には、追加の売上だけでなく、追加の利益を試算することが重要です。
第6章|家賃30万円・50万円・80万円の店舗はいくら売り上げればいい?
飲食店を新規開業する場合、まだ売上実績がありません。
そのため、候補物件の家賃から必要売上を逆算する方法が役立ちます。
6-1.家賃から逆算する売上目標
例えば、家賃30万円の店舗を検討している場合、家賃比率10%を目標とするなら月商300万円が必要です。
家賃50万円なら月商500万円。
家賃80万円なら月商800万円です。
家賃別の目安を詳しく見ていきましょう。
【月額家賃15万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:150万円
・家賃比率15%に必要な月商:100万円
【月額家賃20万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:200万円
・家賃比率15%に必要な月商:約133万円
【月額家賃30万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:300万円
・家賃比率15%に必要な月商:200万円
【月額家賃40万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:400万円
・家賃比率15%に必要な月商:約267万円
【月額家賃50万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:500万円
・家賃比率15%に必要な月商:約333万円
【月額家賃60万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:600万円
・家賃比率15%に必要な月商:400万円
【月額家賃80万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:800万円
・家賃比率15%に必要な月商:約533万円
【月額家賃100万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:1,000万円
・家賃比率15%に必要な月商:約667万円
これから店舗を探す方は、候補物件の家賃を見たときに、まず必要売上を逆算してみることをおすすめします。
ただし、家賃比率10%を達成する売上があっても、その他の経費によっては赤字になる場合があります。
これらの数字は損益分岐点を示すものではなく、家賃比率から逆算した売上目標です。
6-2.家賃50万円の店舗で必要な客数は?
例えば、家賃50万円の居酒屋を考えてみましょう。
家賃比率10%を目標にする場合、必要な月商は500万円です。
月25日営業とすると、
500万円÷25日=1日20万円
の売上が必要になります。
さらに客単価によって必要客数は変わります。
【平均客単価1,000円】
1日200人の来店が必要です。
【平均客単価1,500円】
1日約134人の来店が必要です。
【平均客単価2,000円】
1日100人の来店が必要です。
【平均客単価3,000円】
1日約67人の来店が必要です。
【平均客単価4,000円】
1日50人の来店が必要です。
【平均客単価5,000円】
1日40人の来店が必要です。
【平均客単価8,000円】
1日25人の来店が必要です。
【平均客単価10,000円】
1日20人の来店が必要です。
これらは税抜客単価による計算であり、端数は切り上げています。
例えば客単価5,000円の居酒屋なら、1日40人の来店が必要です。
40席の店舗であれば、計算上は毎営業日平均1回転に相当します。
しかし、実際には平日と週末では客数が異なります。
閑散期もあるため、毎日平均40人を安定して集客できるかを慎重に検討する必要があります。
6-3.坪数と席数から考える
飲食店の物件選びでは、坪数と席数の関係も重要です。
例えば、20坪の飲食店でも厨房が広ければ客席数が少なくなります。
逆に、客席を多く設置できる店舗でも、厨房の作業動線が悪ければ料理提供に支障が出る可能性があります。
家賃50万円という金額だけで判断するのではなく、何席確保できるのか、何回転できるのか、平均客単価をいくらに設定するのかを考える必要があります。
飲食店における適正家賃は、立地だけでなく、店舗の収益を生み出す能力によって決まるのです。
第7章|ラーメン・居酒屋・焼肉・カフェ・BARで適正家賃は違う?
飲食店といっても、業態によって収益構造は大きく異なります。
そのため、家賃比率10%という目標をすべての店舗に当てはめることは適切ではありません。
7-1.ラーメン店の場合
ラーメン店は、客単価が比較的低くなりやすい一方、回転率によって売上を伸ばせる業態です。
例えば、客単価1,200円で月商300万円を目指す場合、月間2,500人の来店が必要です。
月25日営業なら1日100人です。
家賃30万円の店舗であれば、月商300万円で家賃比率10%となります。
ただし、1日100人の集客が難しい立地であれば、家賃30万円でも負担が重くなる可能性があります。
ラーメン店では、席数、営業時間、回転率、食材原価、仕込みに必要な人員などを総合的に検討することが大切です。
7-2.居酒屋の場合
居酒屋は、料理とアルコールの売上構成によって利益率が変化します。
客単価4,000〜5,000円を想定した場合、月商500万円を達成するためには、客単価5,000円なら月間1,000人の来店が必要です。
月25日営業なら1日40人です。
ただし、繁華街では競合店も多く、平日と週末の集客差が大きくなる場合があります。
家賃の高い立地で営業する場合には、週末だけでなく平日の売上も考慮した経営計画が必要です。
7-3.焼肉店の場合
焼肉店は客単価を高く設定できる場合がある一方、食材原価や設備投資が大きくなりやすい業態です。
ダクト、排煙設備、厨房機器、空調設備などに多額の投資が必要になることがあります。
例えば、家賃比率が10%でも、食材原価率や人件費率が高ければ十分な利益は残りません。
また、開業資金を借入で賄っている場合には、毎月の返済負担も考慮する必要があります。
7-4.カフェの場合
カフェは、客単価、滞在時間、回転率によって収益性が大きく変わります。
例えば、客単価1,000円で月商300万円を達成するには、月間3,000人の来店が必要です。
月25日営業なら1日120人です。
客単価が低く、長時間滞在するお客様が多い店舗では、十分な売上を確保することが難しい場合があります。
そのため、カフェでは家賃負担と座席効率のバランスが重要になります。
7-5.BARの場合
BARは飲食業態の中でも、料理中心の店舗とは異なる収益構造を持っています。
アルコールの販売割合が高い店舗では、食材原価率を比較的低く抑えられる場合があります。
また、小規模なBARでは経営者一人で営業することも考えられます。
その場合、人件費負担を抑えられるため、比較的高い家賃比率でも営業利益を確保できる可能性があります。
ただし、経営者自身の労働に対する報酬を考慮しなければ、本当の収益力を判断できません。
さらに、BARは営業時間が夜間に集中しやすいため、営業日数、客単価、固定客の割合なども重要になります。
第8章|家賃が安い物件と高い物件、どちらが本当に儲かる?
飲食店を開業する際、多くの経営者が悩むのが立地と家賃のバランスです。
駅から離れた家賃の安い店舗を選ぶべきなのか。
それとも、駅前や繁華街の家賃の高い店舗を選ぶべきなのか。
この判断は非常に重要です。
8-1.家賃が安ければ成功するとは限らない
例えば、家賃20万円の店舗と家賃50万円の店舗を比較してみましょう。
家賃20万円の店舗は、毎月の固定費を30万円抑えられます。
年間では360万円です。
しかし、立地が悪く、十分な集客ができなければ、売上そのものが不足する可能性があります。
一方、家賃50万円の店舗でも、高い集客力によって十分な売上と利益を確保できれば、経営として成立する可能性があります。
8-2.高い家賃でも利益を生み出せる立地はある
例えば、次の2店舗を仮定します。
店舗A:月商300万円、家賃20万円
店舗B:月商500万円、家賃50万円
店舗Bは店舗Aよりも毎月30万円家賃が高くなります。
しかし、売上は毎月200万円多くなります。
仮に追加売上に対する限界利益率が60%であれば、200万円の売上差から生まれる限界利益は120万円です。
そこから追加家賃30万円を負担しても、その他の固定費が同じなら90万円の利益差が生まれます。
このような場合には、家賃の高い店舗の方が収益力に優れる可能性があります。
もちろん、実際には必要な人員や設備費、営業時間なども異なるため、個別に試算する必要があります。
8-3.立地の良さを売上に変えられるかが重要
家賃の高い店舗を契約する場合には、立地の良さを実際の売上につなげられるかを確認する必要があります。
例えば、名古屋市中区栄や錦三丁目のような繁華街では、飲食需要が期待できる一方、競合店も多く存在します。
人通りが多いからといって、必ず自店舗にお客様が来店するとは限りません。
重要なのは、店舗の立地と業態、価格帯、営業時間、ターゲット顧客が合っているかどうかです。
家賃だけで物件の良し悪しを判断せず、実際の収益性を基準に検討することが大切です。
第9章|名古屋で飲食店を開業するなら家賃と立地をどう考える?
名古屋市で飲食店を開業する場合、立地によって集客の特徴が異なります。
例えば、栄や錦三丁目は繁華街として知られていますが、昼と夜の人の流れや客層は場所によって異なります。
名駅周辺はオフィスワーカーや出張客などの需要を見込めるエリアですが、物件ごとの立地条件や競争環境を確認する必要があります。
金山、大須、今池、藤が丘なども、それぞれ異なる地域特性を持っています。
9-1.名古屋市中区栄・錦三丁目
栄や錦三丁目では、居酒屋、BAR、焼肉店、寿司店など、さまざまな飲食業態が営業しています。
ただし、同じエリア内でも路面店、地下店舗、空中階店舗によって視認性や集客条件が異なります。
家賃が高いから売上も高くなると考えるのは危険です。
ターゲット客層や営業スタイルと立地が合っているかを慎重に判断する必要があります。
9-2.名古屋駅周辺
名古屋駅周辺では、オフィス、商業施設、宿泊施設などに関連する飲食需要が期待できます。
ただし、平日と休日、ランチとディナーでは集客状況が異なる場合があります。
高い家賃に見合う売上を確保できるか、時間帯別に試算することが重要です。
9-3.金山・大須・今池・藤が丘
金山、大須、今池、藤が丘なども、飲食店の出店先として検討される地域です。
ただし、エリア名だけで適正家賃が決まるわけではありません。
駅からの距離、通行量、店舗の階数、間口、看板の視認性、競合状況などによって店舗の価値は大きく変わります。
新規開業では、単純な坪単価の比較だけでなく、想定できる売上と利益から支払可能な家賃を逆算することをおすすめします。
第10章|飲食店の物件選びで最も重要なのは「家賃の安さ」ではなく「利益が残るか」
ここまで、家賃比率10%・15%・20%による利益の違いを解説してきました。
飲食店の経営者にとって、家賃は非常に大きな固定費です。
しかし、家賃が安い店舗を選べば必ず成功するわけではありません。
反対に、家賃が高い店舗でも、十分な売上と利益を確保できれば経営は成立します。
最も重要なのは、店舗を契約する前に収益計画を立てることです。
例えば、家賃50万円の物件を検討しているのであれば、まず家賃比率10%に必要な月商500万円を達成できるか検討してみましょう。
そのうえで、客単価、必要客数、営業日数、席数、回転率などを具体的に計算します。
さらに、食材費、人件費、水道光熱費、広告宣伝費、減価償却費などを差し引いて、どれだけ営業利益が残るかを試算します。
最後に、税金、借入返済、設備投資なども考慮し、資金繰りに無理がないか確認する必要があります。
飲食店の家賃は、一度契約すると簡単には減らせない費用です。
だからこそ、新規開業の段階で慎重に判断することが重要なのです。
前編まとめ|家賃比率10%は一つの目安。15%・20%なら利益構造を慎重に確認しよう
今回の前編では、飲食店の適正家賃について、売上規模別の比較や利益シミュレーションを交えて解説しました。
飲食店の家賃は、売上の10%前後を一つの目標として考えることができます。
ただし、これはすべての飲食店に共通する絶対的な基準ではありません。
家賃比率15%でも十分な利益を確保できる店舗がある一方、家賃比率10%でも赤字になる店舗があります。
重要なのは、家賃だけではなく、食材費、人件費、その他の固定費を含めた収益構造です。
例えば、月商500万円の飲食店では、
・家賃10%なら50万円
・家賃15%なら75万円
・家賃20%なら100万円
となります。
家賃10%と20%では、年間600万円もの固定費の差が生まれます。
これは飲食店の経営にとって非常に大きな金額です。
また、家賃の高い立地を選ぶ場合には、その家賃に見合う追加売上と利益を生み出せるかが重要になります。
飲食店の経営者は、売上目標だけでなく、家賃比率と営業利益率を常に意識することが大切です。
飲食店で本当に大切なのは「家賃が払えるか」ではなく、「家賃を払った後に利益が残るか」です。
この考え方を持つことが、長く経営を続けられる店舗づくりにつながります。
次回・後編予告
【2026年最新版】飲食店の家賃が高すぎて赤字に!家賃比率15%・20%から経営を立て直す方法|名古屋の店舗賃料・家賃交渉・移転・居抜き売却まで徹底解説
後編では、名古屋の繁華街における物件選びや家賃負担の考え方に加え、すでに家賃が高く経営が苦しい飲食店の対策を詳しく解説します。
家賃の減額交渉、賃貸借契約の注意点、損益分岐点の改善、店舗移転の判断、原状回復費用、居抜き売却など、飲食店オーナー様が実際に直面する問題を取り上げます。
名古屋で飲食店・店舗の売却をお考えなら「居抜きの達人」へ
飲食店の経営では、家賃の負担が大きな悩みになることがあります。
売上は一定程度確保できていても、家賃や人件費、食材費の上昇によって利益が残らない場合もあるでしょう。
また、開業当初に想定していた売上を達成できず、家賃比率が15%、20%と上昇してしまうこともあります。
そのような場合には、経費削減や売上改善だけでなく、店舗の移転や居抜き売却を検討することも一つの方法です。
名古屋市を中心に飲食店の居抜き売却・店舗売却をサポートする「居抜きの達人」では、飲食店オーナー様の立場に寄り添い、少しでも有利な条件で店舗を売却できるよう尽力しています。
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はじめに|飲食店の家賃は売上の10%以内が理想?本当にそれだけで判断していいのか
「飲食店の家賃は売上の10%以内に抑えた方がいい」
飲食店を経営されている方や、これから新規開業を考えている方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
確かに、飲食店経営において家賃は非常に重要な経費です。
食材費や人件費と並び、店舗の利益を大きく左右する要素の一つといえます。
しかし、本当に家賃比率10%であれば安心なのでしょうか。
反対に、家賃比率15%や20%の飲食店は必ず赤字になるのでしょうか。
結論から申し上げると、家賃比率10%前後は一つの目安ですが、15%だから必ず赤字、20%だから必ず経営が失敗するというわけではありません。
業態、立地、客単価、原価率、人件費、回転率などによって、適正な家賃比率は大きく異なります。
例えば、同じ月商500万円の飲食店でも、次のような違いがあります。
・店舗A:家賃50万円(家賃比率10%)
・店舗B:家賃75万円(家賃比率15%)
・店舗C:家賃100万円(家賃比率20%)
家賃比率10%の店舗と20%の店舗では、毎月50万円もの差があります。
年間にすると600万円です。
仮に、ほかの売上や経費がすべて同じであれば、家賃の差額はそのまま営業利益の差につながります。
月商500万円、年商6,000万円の飲食店にとって、年間600万円の差は決して小さくありません。
営業利益率に換算すれば、10ポイントもの違いです。
実際の飲食店経営では、売上を増やすことばかりに意識が向きがちですが、家賃の設定を間違えると、どれだけ頑張って営業しても十分な利益が残らなくなる可能性があります。
特に名古屋市では、栄、錦三丁目、名駅、金山、大須、今池など、繁華街によって店舗賃料の水準や集客の特徴が異なります。
人通りが多いからという理由だけで高額な家賃の店舗を契約してしまうと、開業後の経営が想像以上に厳しくなることもあります。
そこで今回は、名古屋市を中心に飲食店の居抜き売却・店舗売却をサポートする「居抜きの達人」が、飲食店の適正家賃について詳しく解説します。
前編では、家賃比率10%・15%・20%による利益の違い、月商別の適正家賃、必要客数、業態ごとの特徴などを具体的な数字で比較します。
すでに飲食店を経営している方はもちろん、新規開業や店舗移転を考えている方にも参考にしていただければ幸いです。
第1章|飲食店の家賃比率とは?まずは基本の計算方法を理解する
1-1.家賃比率とは何か?
家賃比率とは、売上高に対して店舗家賃が何%を占めているかを示す指標です。
計算方法は非常に簡単です。
家賃比率(%)=月額家賃÷月間売上高×100
例えば、月額家賃30万円の飲食店で、月商が300万円だった場合、
30万円÷300万円×100=10%
となります。
つまり、売上の10%を家賃として支払っていることになります。
同じ店舗で売上が200万円に減少した場合には、
30万円÷200万円×100=15%
です。
家賃の金額が変わらなくても、売上が減少すれば家賃比率は上昇します。
この点が飲食店経営において非常に重要です。
1-2.家賃は簡単には減らせない固定費
飲食店の経費は、大きく固定費と変動費に分けられます。
食材費などは売上の増減によって変動しやすい経費です。
一方、家賃は通常、売上が減少しても毎月一定額を支払わなければなりません。
例えば、売上が500万円から300万円へ減少しても、家賃50万円の契約なら、原則として50万円の支払いが続きます。
売上500万円のときの家賃比率は10%ですが、売上300万円になると約16.7%まで上昇します。
さらに売上が250万円になれば、家賃比率は20%です。
このように、売上減少によって家賃負担が重くなることが、飲食店の経営を圧迫する大きな原因になります。
1-3.家賃には共益費や管理費も含めて考える
家賃比率を計算する際に注意したいのが、共益費や管理費です。
例えば、次のような店舗があったとします。
・家賃:月額30万円
・共益費:月額5万円
・合計:月額35万円
この場合、実際の固定費負担は35万円です。
月商300万円なら、賃料だけで計算した家賃比率は10%ですが、共益費を含めると約11.7%です。
また、看板使用料や商業施設の販売促進費など、店舗を使用するために継続的に必要な費用が発生する場合もあります。
したがって、経営計画では家賃だけを見るのではなく、店舗使用に伴う毎月の固定負担を合算して判断することが大切です。
なお、課税事業者の税抜経理を前提とする場合には、売上と賃料の両方を原則として税抜金額に統一して比較します。
第2章|飲食店の理想的な家賃比率は何%?10%・15%・20%を比較
飲食店経営では、家賃比率10%前後を一つの目標とする考え方が広く使われています。
しかし、それぞれの比率がどのような意味を持つのかを理解することが大切です。
2-1.家賃比率10%は一つの理想的な目標
家賃比率10%は、多くの飲食店が経営計画を立てる際に参考にする数字です。
例えば、月商500万円の店舗なら、家賃は50万円です。
食材原価率30%、人件費率30%と仮定すると、
・食材費:150万円
・人件費:150万円
・家賃:50万円
・合計:350万円
となります。
この3項目だけで売上の70%を占めます。
残り150万円から、水道光熱費、広告費、決済手数料、消耗品費、減価償却費などを負担します。
家賃比率が10%に収まっているからといって必ず利益が出るわけではありませんが、収益構造を組み立てやすい水準の一つといえるでしょう。
2-2.家賃比率15%は高すぎるのか?
家賃比率15%になると、店舗の収益構造に注意が必要です。
月商500万円の場合、家賃は75万円です。
家賃比率10%の店舗と比較すると、毎月25万円の負担増加です。
年間では300万円になります。
ただし、家賃が高い店舗には、駅前立地、視認性、集客力などの強みがある場合もあります。
例えば、同じ15坪の飲食店でも、駅から離れた立地と繁華街の路面店では、期待できる客数や客単価が異なることがあります。
重要なのは、家賃75万円の店舗が、家賃50万円の店舗よりも十分な売上や利益を生み出せるかどうかです。
追加の家賃25万円以上の利益貢献が見込めるのであれば、高い家賃を支払う合理性が生まれる場合があります。
2-3.家賃比率20%は危険なのか?
家賃比率20%になると、多くの飲食店では慎重な収益計画が必要になります。
月商500万円なら家賃は100万円です。
毎月の売上の5分の1が家賃として支出されます。
ここから食材費、人件費、水道光熱費などを支払うため、利益の確保が難しくなる場合があります。
ただし、家賃比率20%でも、低原価率の業態や非常に高い客単価、少人数で運営できる店舗では、利益を確保できる可能性があります。
反対に、原価率と人件費率が高い飲食店では、家賃比率15%でも経営が厳しくなることがあります。
家賃比率だけで黒字・赤字を決めることはできないのです。
第3章|月商300万円・500万円・1,000万円の適正家賃はいくら?
ここでは、実際の売上を基準に家賃比率を比較してみましょう。
以下はすべて税抜売上・税抜家賃を使用した計算例です。
3-1.月商200万円の飲食店
月商200万円の店舗では、家賃比率によって次のような違いがあります。
・家賃比率10%:月額20万円
・家賃比率15%:月額30万円
・家賃比率20%:月額40万円
家賃比率10%と20%では、毎月20万円の違いがあります。
年間では240万円です。
小規模な飲食店にとって、年間240万円の固定費差は非常に大きなものです。
3-2.月商300万円の飲食店
月商300万円の場合、家賃比率は次のようになります。
・家賃比率10%:月額30万円
・家賃比率15%:月額45万円
・家賃比率20%:月額60万円
家賃比率10%と20%の差額は毎月30万円になります。
年間では360万円です。
年商3,600万円の飲食店にとって、年間360万円は非常に大きな金額です。
仮に家賃30万円の店舗で年間利益180万円を確保できている場合、売上とほかの経費が同じまま家賃が60万円に増えると、年間利益は180万円の赤字へ変わります。
ただし、立地の違いによって売上が増加する可能性もあるため、単純に家賃だけで店舗を比較することはできません。
3-3.月商500万円の飲食店
月商500万円の店舗では、次のようになります。
・家賃比率10%:月額50万円
・家賃比率15%:月額75万円
・家賃比率20%:月額100万円
家賃比率10%と20%の差は年間600万円に達します。
仮に家賃50万円の店舗で年間営業利益300万円を確保している場合、ほかの条件が変わらず家賃が100万円になれば、年間営業損失300万円となります。
月商500万円という売上があっても、家賃設定によって経営状態が大きく変わることが分かります。
3-4.月商800万円の飲食店
月商800万円の店舗では、
・家賃比率10%:月額80万円
・家賃比率15%:月額120万円
・家賃比率20%:月額160万円
となります。
家賃比率10%と20%の差は、毎月80万円です。
年間では960万円にもなります。
売上規模が大きい店舗では、家賃比率の違いが非常に大きな金額となって表れます。
特に大型居酒屋や焼肉店などでは、客数を増やすために従業員や設備の負担も大きくなる場合があります。
家賃だけでなく、店舗全体の収益構造を慎重に確認する必要があります。
3-5.月商1,000万円の飲食店
月商1,000万円の店舗なら、次のようになります。
・家賃比率10%:月額100万円
・家賃比率15%:月額150万円
・家賃比率20%:月額200万円
家賃比率10%と20%の差額は毎月100万円です。
年間では1,200万円です。
仮に家賃100万円の店舗で営業利益率10%を確保できている場合、年間営業利益は1,200万円です。
ほかの条件がすべて同じまま家賃が200万円になれば、年間営業利益はゼロになります。
売上が大きい飲食店ほど、家賃比率のわずかな違いが絶対額として大きな経営負担になるのです。
第4章|家賃比率10%・15%・20%で利益はどう変わる?月商500万円で徹底比較
ここからは、月商500万円の居酒屋をモデルに、家賃の違いが営業利益に与える影響を詳しく分析します。
次の数字は、家賃だけを変えた比較用の仮想モデルです。
4-1.家賃以外の経費を同額とした場合
月商500万円の飲食店について、家賃以外の経費を合計400万円と仮定します。
内訳は以下のとおりです。
・食材費:150万円
・人件費:150万円
・水道光熱費:30万円
・広告宣伝費:15万円
・決済・予約サイト等手数料:20万円
・消耗品・減価償却費・その他:35万円
合計400万円です。
この条件で家賃だけを変えてみましょう。
4-2.家賃比率10%の場合
月商500万円、家賃50万円の店舗を想定します。
・月間売上:500万円
・家賃以外の経費:400万円
・家賃:50万円
・月間営業利益:50万円
・営業利益率:10%
・年間営業利益:600万円
このモデルでは、年間600万円の営業利益を確保できます。
ただし、ここから借入利息や法人税等が発生する場合があり、営業利益600万円すべてが手元に残るわけではありません。
さらに借入元本返済や設備投資なども考慮する必要があります。
それでも家賃の負担が比較的軽いため、経営に余裕を持ちやすいモデルです。
4-3.家賃比率15%の場合
続いて、家賃75万円の場合です。
・月間売上:500万円
・家賃以外の経費:400万円
・家賃:75万円
・月間営業利益:25万円
・営業利益率:5%
・年間営業利益:300万円
家賃50万円の店舗と比較すると、営業利益は半分になります。
家賃比率が5ポイント上昇しただけで、営業利益率は10%から5%へ低下します。
ここで注意したいのは、家賃が25万円上がったからといって、単純に売上を25万円増やせば同じ利益に戻るわけではないことです。
追加売上には食材原価などの変動費が発生するためです。
4-4.家賃比率20%の場合
さらに家賃が100万円になった場合です。
・月間売上:500万円
・家賃以外の経費:400万円
・家賃:100万円
・月間営業利益:0円
・営業利益率:0%
・年間営業利益:0円
今回のモデルでは、月商500万円、年間売上6,000万円を達成しているにもかかわらず、本業での利益が残りません。
さらに借入利息が発生すれば、ほかの損益次第では税引前赤字となる可能性もあります。
このような状態で売上が減少したり、食材価格が上昇したりすると、経営はさらに厳しくなります。
ただし、家賃比率20%の飲食店がすべて赤字という意味ではありません。
低い食材原価率や少人数での運営を実現できれば、営業利益を確保できる店舗もあります。
4-5.同じ月商500万円でも年間600万円の利益差
今回のシミュレーションを整理すると、次のようになります。
家賃比率10%の場合、年間営業利益は600万円。
家賃比率15%の場合、年間営業利益は300万円。
家賃比率20%の場合、年間営業利益は0円。
売上はすべて年間6,000万円です。
それにもかかわらず、家賃の違いだけで年間営業利益に最大600万円もの差が生まれました。
これは飲食店にとって非常に大きな違いです。
家賃は一度契約すると簡単には減らせない固定費だからこそ、開業前の段階で十分な収益計画を立てる必要があります。
第5章|高い家賃を払うなら売上はいくら増やす必要がある?
飲食店の物件選びで重要なのは、家賃の金額だけではありません。
高い家賃を支払うことで、それ以上の利益を生み出せるかどうかです。
例えば、家賃50万円の店舗から家賃75万円の店舗に移転するとします。
毎月の固定費は25万円増加します。
では、その25万円を回収するために、売上をいくら増やす必要があるのでしょうか。
5-1.売上25万円増加では不足する場合がある
仮に追加売上に対する変動費率を40%とします。
この場合、売上が100万円増加すると、追加変動費が40万円発生し、利益の増加額は60万円となります。
つまり、追加売上に対する限界利益率は60%です。
家賃増加額25万円を補うには、
25万円÷60%=約41万7,000円
の追加売上が必要となります。
つまり、毎月25万円の家賃増加を補うために、約42万円の売上増加が必要という計算です。
5-2.家賃50万円から100万円になる場合
同じ条件で家賃が毎月50万円増える場合、
50万円÷60%=約83万3,000円
の売上増加が必要となります。
月商500万円の店舗なら、約583万円まで売上を増やして、ようやく家賃増加分を補える計算です。
これは、追加売上に対する変動費率が40%で一定、その他の固定費が増加しない場合の計算です。
実際には、売上増加によって追加スタッフが必要になったり、水道光熱費が増えたりする場合があります。
したがって、家賃が高い物件を選ぶ場合には、追加の売上だけでなく、追加の利益を試算することが重要です。
第6章|家賃30万円・50万円・80万円の店舗はいくら売り上げればいい?
飲食店を新規開業する場合、まだ売上実績がありません。
そのため、候補物件の家賃から必要売上を逆算する方法が役立ちます。
6-1.家賃から逆算する売上目標
例えば、家賃30万円の店舗を検討している場合、家賃比率10%を目標とするなら月商300万円が必要です。
家賃50万円なら月商500万円。
家賃80万円なら月商800万円です。
家賃別の目安を詳しく見ていきましょう。
【月額家賃15万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:150万円
・家賃比率15%に必要な月商:100万円
【月額家賃20万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:200万円
・家賃比率15%に必要な月商:約133万円
【月額家賃30万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:300万円
・家賃比率15%に必要な月商:200万円
【月額家賃40万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:400万円
・家賃比率15%に必要な月商:約267万円
【月額家賃50万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:500万円
・家賃比率15%に必要な月商:約333万円
【月額家賃60万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:600万円
・家賃比率15%に必要な月商:400万円
【月額家賃80万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:800万円
・家賃比率15%に必要な月商:約533万円
【月額家賃100万円の場合】
・家賃比率10%に必要な月商:1,000万円
・家賃比率15%に必要な月商:約667万円
これから店舗を探す方は、候補物件の家賃を見たときに、まず必要売上を逆算してみることをおすすめします。
ただし、家賃比率10%を達成する売上があっても、その他の経費によっては赤字になる場合があります。
これらの数字は損益分岐点を示すものではなく、家賃比率から逆算した売上目標です。
6-2.家賃50万円の店舗で必要な客数は?
例えば、家賃50万円の居酒屋を考えてみましょう。
家賃比率10%を目標にする場合、必要な月商は500万円です。
月25日営業とすると、
500万円÷25日=1日20万円
の売上が必要になります。
さらに客単価によって必要客数は変わります。
【平均客単価1,000円】
1日200人の来店が必要です。
【平均客単価1,500円】
1日約134人の来店が必要です。
【平均客単価2,000円】
1日100人の来店が必要です。
【平均客単価3,000円】
1日約67人の来店が必要です。
【平均客単価4,000円】
1日50人の来店が必要です。
【平均客単価5,000円】
1日40人の来店が必要です。
【平均客単価8,000円】
1日25人の来店が必要です。
【平均客単価10,000円】
1日20人の来店が必要です。
これらは税抜客単価による計算であり、端数は切り上げています。
例えば客単価5,000円の居酒屋なら、1日40人の来店が必要です。
40席の店舗であれば、計算上は毎営業日平均1回転に相当します。
しかし、実際には平日と週末では客数が異なります。
閑散期もあるため、毎日平均40人を安定して集客できるかを慎重に検討する必要があります。
6-3.坪数と席数から考える
飲食店の物件選びでは、坪数と席数の関係も重要です。
例えば、20坪の飲食店でも厨房が広ければ客席数が少なくなります。
逆に、客席を多く設置できる店舗でも、厨房の作業動線が悪ければ料理提供に支障が出る可能性があります。
家賃50万円という金額だけで判断するのではなく、何席確保できるのか、何回転できるのか、平均客単価をいくらに設定するのかを考える必要があります。
飲食店における適正家賃は、立地だけでなく、店舗の収益を生み出す能力によって決まるのです。
第7章|ラーメン・居酒屋・焼肉・カフェ・BARで適正家賃は違う?
飲食店といっても、業態によって収益構造は大きく異なります。
そのため、家賃比率10%という目標をすべての店舗に当てはめることは適切ではありません。
7-1.ラーメン店の場合
ラーメン店は、客単価が比較的低くなりやすい一方、回転率によって売上を伸ばせる業態です。
例えば、客単価1,200円で月商300万円を目指す場合、月間2,500人の来店が必要です。
月25日営業なら1日100人です。
家賃30万円の店舗であれば、月商300万円で家賃比率10%となります。
ただし、1日100人の集客が難しい立地であれば、家賃30万円でも負担が重くなる可能性があります。
ラーメン店では、席数、営業時間、回転率、食材原価、仕込みに必要な人員などを総合的に検討することが大切です。
7-2.居酒屋の場合
居酒屋は、料理とアルコールの売上構成によって利益率が変化します。
客単価4,000〜5,000円を想定した場合、月商500万円を達成するためには、客単価5,000円なら月間1,000人の来店が必要です。
月25日営業なら1日40人です。
ただし、繁華街では競合店も多く、平日と週末の集客差が大きくなる場合があります。
家賃の高い立地で営業する場合には、週末だけでなく平日の売上も考慮した経営計画が必要です。
7-3.焼肉店の場合
焼肉店は客単価を高く設定できる場合がある一方、食材原価や設備投資が大きくなりやすい業態です。
ダクト、排煙設備、厨房機器、空調設備などに多額の投資が必要になることがあります。
例えば、家賃比率が10%でも、食材原価率や人件費率が高ければ十分な利益は残りません。
また、開業資金を借入で賄っている場合には、毎月の返済負担も考慮する必要があります。
7-4.カフェの場合
カフェは、客単価、滞在時間、回転率によって収益性が大きく変わります。
例えば、客単価1,000円で月商300万円を達成するには、月間3,000人の来店が必要です。
月25日営業なら1日120人です。
客単価が低く、長時間滞在するお客様が多い店舗では、十分な売上を確保することが難しい場合があります。
そのため、カフェでは家賃負担と座席効率のバランスが重要になります。
7-5.BARの場合
BARは飲食業態の中でも、料理中心の店舗とは異なる収益構造を持っています。
アルコールの販売割合が高い店舗では、食材原価率を比較的低く抑えられる場合があります。
また、小規模なBARでは経営者一人で営業することも考えられます。
その場合、人件費負担を抑えられるため、比較的高い家賃比率でも営業利益を確保できる可能性があります。
ただし、経営者自身の労働に対する報酬を考慮しなければ、本当の収益力を判断できません。
さらに、BARは営業時間が夜間に集中しやすいため、営業日数、客単価、固定客の割合なども重要になります。
第8章|家賃が安い物件と高い物件、どちらが本当に儲かる?
飲食店を開業する際、多くの経営者が悩むのが立地と家賃のバランスです。
駅から離れた家賃の安い店舗を選ぶべきなのか。
それとも、駅前や繁華街の家賃の高い店舗を選ぶべきなのか。
この判断は非常に重要です。
8-1.家賃が安ければ成功するとは限らない
例えば、家賃20万円の店舗と家賃50万円の店舗を比較してみましょう。
家賃20万円の店舗は、毎月の固定費を30万円抑えられます。
年間では360万円です。
しかし、立地が悪く、十分な集客ができなければ、売上そのものが不足する可能性があります。
一方、家賃50万円の店舗でも、高い集客力によって十分な売上と利益を確保できれば、経営として成立する可能性があります。
8-2.高い家賃でも利益を生み出せる立地はある
例えば、次の2店舗を仮定します。
店舗A:月商300万円、家賃20万円
店舗B:月商500万円、家賃50万円
店舗Bは店舗Aよりも毎月30万円家賃が高くなります。
しかし、売上は毎月200万円多くなります。
仮に追加売上に対する限界利益率が60%であれば、200万円の売上差から生まれる限界利益は120万円です。
そこから追加家賃30万円を負担しても、その他の固定費が同じなら90万円の利益差が生まれます。
このような場合には、家賃の高い店舗の方が収益力に優れる可能性があります。
もちろん、実際には必要な人員や設備費、営業時間なども異なるため、個別に試算する必要があります。
8-3.立地の良さを売上に変えられるかが重要
家賃の高い店舗を契約する場合には、立地の良さを実際の売上につなげられるかを確認する必要があります。
例えば、名古屋市中区栄や錦三丁目のような繁華街では、飲食需要が期待できる一方、競合店も多く存在します。
人通りが多いからといって、必ず自店舗にお客様が来店するとは限りません。
重要なのは、店舗の立地と業態、価格帯、営業時間、ターゲット顧客が合っているかどうかです。
家賃だけで物件の良し悪しを判断せず、実際の収益性を基準に検討することが大切です。
第9章|名古屋で飲食店を開業するなら家賃と立地をどう考える?
名古屋市で飲食店を開業する場合、立地によって集客の特徴が異なります。
例えば、栄や錦三丁目は繁華街として知られていますが、昼と夜の人の流れや客層は場所によって異なります。
名駅周辺はオフィスワーカーや出張客などの需要を見込めるエリアですが、物件ごとの立地条件や競争環境を確認する必要があります。
金山、大須、今池、藤が丘なども、それぞれ異なる地域特性を持っています。
9-1.名古屋市中区栄・錦三丁目
栄や錦三丁目では、居酒屋、BAR、焼肉店、寿司店など、さまざまな飲食業態が営業しています。
ただし、同じエリア内でも路面店、地下店舗、空中階店舗によって視認性や集客条件が異なります。
家賃が高いから売上も高くなると考えるのは危険です。
ターゲット客層や営業スタイルと立地が合っているかを慎重に判断する必要があります。
9-2.名古屋駅周辺
名古屋駅周辺では、オフィス、商業施設、宿泊施設などに関連する飲食需要が期待できます。
ただし、平日と休日、ランチとディナーでは集客状況が異なる場合があります。
高い家賃に見合う売上を確保できるか、時間帯別に試算することが重要です。
9-3.金山・大須・今池・藤が丘
金山、大須、今池、藤が丘なども、飲食店の出店先として検討される地域です。
ただし、エリア名だけで適正家賃が決まるわけではありません。
駅からの距離、通行量、店舗の階数、間口、看板の視認性、競合状況などによって店舗の価値は大きく変わります。
新規開業では、単純な坪単価の比較だけでなく、想定できる売上と利益から支払可能な家賃を逆算することをおすすめします。
第10章|飲食店の物件選びで最も重要なのは「家賃の安さ」ではなく「利益が残るか」
ここまで、家賃比率10%・15%・20%による利益の違いを解説してきました。
飲食店の経営者にとって、家賃は非常に大きな固定費です。
しかし、家賃が安い店舗を選べば必ず成功するわけではありません。
反対に、家賃が高い店舗でも、十分な売上と利益を確保できれば経営は成立します。
最も重要なのは、店舗を契約する前に収益計画を立てることです。
例えば、家賃50万円の物件を検討しているのであれば、まず家賃比率10%に必要な月商500万円を達成できるか検討してみましょう。
そのうえで、客単価、必要客数、営業日数、席数、回転率などを具体的に計算します。
さらに、食材費、人件費、水道光熱費、広告宣伝費、減価償却費などを差し引いて、どれだけ営業利益が残るかを試算します。
最後に、税金、借入返済、設備投資なども考慮し、資金繰りに無理がないか確認する必要があります。
飲食店の家賃は、一度契約すると簡単には減らせない費用です。
だからこそ、新規開業の段階で慎重に判断することが重要なのです。
前編まとめ|家賃比率10%は一つの目安。15%・20%なら利益構造を慎重に確認しよう
今回の前編では、飲食店の適正家賃について、売上規模別の比較や利益シミュレーションを交えて解説しました。
飲食店の家賃は、売上の10%前後を一つの目標として考えることができます。
ただし、これはすべての飲食店に共通する絶対的な基準ではありません。
家賃比率15%でも十分な利益を確保できる店舗がある一方、家賃比率10%でも赤字になる店舗があります。
重要なのは、家賃だけではなく、食材費、人件費、その他の固定費を含めた収益構造です。
例えば、月商500万円の飲食店では、
・家賃10%なら50万円
・家賃15%なら75万円
・家賃20%なら100万円
となります。
家賃10%と20%では、年間600万円もの固定費の差が生まれます。
これは飲食店の経営にとって非常に大きな金額です。
また、家賃の高い立地を選ぶ場合には、その家賃に見合う追加売上と利益を生み出せるかが重要になります。
飲食店の経営者は、売上目標だけでなく、家賃比率と営業利益率を常に意識することが大切です。
飲食店で本当に大切なのは「家賃が払えるか」ではなく、「家賃を払った後に利益が残るか」です。
この考え方を持つことが、長く経営を続けられる店舗づくりにつながります。
次回・後編予告
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後編では、名古屋の繁華街における物件選びや家賃負担の考え方に加え、すでに家賃が高く経営が苦しい飲食店の対策を詳しく解説します。
家賃の減額交渉、賃貸借契約の注意点、損益分岐点の改善、店舗移転の判断、原状回復費用、居抜き売却など、飲食店オーナー様が実際に直面する問題を取り上げます。
名古屋で飲食店・店舗の売却をお考えなら「居抜きの達人」へ
飲食店の経営では、家賃の負担が大きな悩みになることがあります。
売上は一定程度確保できていても、家賃や人件費、食材費の上昇によって利益が残らない場合もあるでしょう。
また、開業当初に想定していた売上を達成できず、家賃比率が15%、20%と上昇してしまうこともあります。
そのような場合には、経費削減や売上改善だけでなく、店舗の移転や居抜き売却を検討することも一つの方法です。
名古屋市を中心に飲食店の居抜き売却・店舗売却をサポートする「居抜きの達人」では、飲食店オーナー様の立場に寄り添い、少しでも有利な条件で店舗を売却できるよう尽力しています。
長年の不動産業務で培った経験や人脈、独自のネットワーク、WEBを活用した情報発信を生かし、出店希望者とのマッチングを目指します。
営業中の店舗でも売却のご相談は可能です。
また、居抜き売却が成立する場合には、造作譲渡による資金回収や原状回復費用の削減につながる可能性があります。
ただし、貸主の承諾、賃貸借契約の条件、設備の状態、買主の需要などによって売却条件は異なります。
大切に営業してきた店舗だからこそ、少しでも高く、少しでも早く、次の経営者へつないでいきたい。
居抜きの達人は、その想いを大切にしています。
名古屋市で飲食店の売却、閉店、店舗移転をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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飲食店の家賃負担・赤字経営・損益分岐点・閉店判断を徹底解説|居抜きの達人はじめに|飲食店が儲からない原因は「家賃」にあるかもしれない
「売上はあるのに、家賃を支払うと利益がほとんど残らない」
「開業当初は順調だったのに、売上が減少して家賃比率が20%を超えてしまった」
「家賃が高すぎるので大家さんに減額をお願いしたい」
「今の店舗を続けるべきか、それとも居抜きで売却するべきなのか」
飲食店の経営者の中には、このような悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
飲食店経営では、売上が減少しても家賃の支払いは原則として毎月発生します。
特に名古屋市中区の栄、錦三丁目、名駅周辺など、飲食店が集積するエリアでは、立地条件によって店舗賃料に大きな違いがあります。
集客力を期待して高額な家賃の店舗を借りたものの、想定していた売上を確保できず、資金繰りが厳しくなってしまうことも考えられます。
前編では、飲食店の家賃比率について、10%・15%・20%の違いを詳しく解説しました。
結論として、家賃比率10%前後は一つの経営目標ですが、15%だから必ず赤字になるわけではなく、20%だから必ず閉店しなければならないわけでもありません。
重要なのは、家賃を支払った後にどれだけ利益を確保できるかです。
後編では、さらに踏み込んで、すでに家賃負担が重くなっている飲食店をどのように立て直すべきかを考えていきます。
月商300万円、家賃80万円の店舗を例にした赤字シミュレーションから、賃料減額交渉、店舗移転、居抜き売却、原状回復費用の問題まで解説します。
名古屋で飲食店の経営に悩んでいる方、閉店や店舗売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
第11章|月商300万円で家賃80万円!飲食店の経営は成立するのか?
まずは、家賃負担が大きい飲食店の具体例を見てみましょう。
例えば、名古屋市内の繁華街にある居酒屋で、毎月の売上が300万円、家賃が80万円だったとします。
この場合の家賃比率は、
80万円÷300万円×100=約26.7%
です。
家賃比率10%という目標と比較すると、非常に高い水準です。
しかし、家賃比率だけで赤字かどうかは判断できません。
そこで、具体的な経費を設定して計算してみます。
11-1.月商300万円・家賃80万円の収益シミュレーション
以下は、説明のための仮想モデルです。
・月間売上:300万円
・食材原価:96万円(32%)
・人件費:90万円(30%)
・店舗家賃:80万円(約26.7%)
・水道光熱費:18万円(6%)
・広告・決済手数料:12万円(4%)
・減価償却費・その他:15万円(5%)
経費合計:311万円
月間営業損失:11万円
営業利益率:マイナス約3.7%
毎月300万円の売上を確保しているにもかかわらず、営業損失は11万円となります。
年間では132万円の営業赤字です。
さらに借入金の支払利息があれば、ほかの条件が同じ場合、経常損益はさらに悪化します。
また、借入元本返済は原則として会計上の費用ではありませんが、実際の現金支出が発生します。
つまり、帳簿上の赤字以上に資金繰りが厳しくなる場合があるのです。
11-2.同じ売上でも家賃が30万円なら?
では、ほかの経費が同じまま、家賃が30万円だったらどうなるでしょうか。
毎月の家賃負担は50万円減少します。
先ほどの営業損失11万円に50万円を加えると、
月間営業利益39万円
となります。
年間では468万円の営業利益です。
同じ月商300万円でも、家賃80万円の店舗は年間132万円の赤字、家賃30万円の店舗なら年間468万円の黒字となる計算です。
年間の差額は600万円です。
もちろん、家賃30万円と80万円の店舗では、立地、面積、集客力などが異なるでしょう。
しかし、固定費が飲食店経営に与える影響が非常に大きいことが分かります。
11-3.家賃80万円なら本来どれくらいの売上が必要?
家賃80万円の店舗で、家賃比率10%を目指すなら、必要な月商は800万円です。
家賃比率15%なら約533万円。
家賃比率20%なら400万円です。
ただし、家賃比率10%を達成したからといって必ず黒字になるわけではありません。
本当に必要なのは、店舗全体の経費を賄い、適正な利益を確保するための売上です。
第12章|飲食店の損益分岐点を計算する!赤字を脱出するには月商いくら必要?
損益分岐点とは、売上高と費用が等しくなり、利益がゼロになる売上水準のことです。
飲食店の経営改善では、この損益分岐点を把握することが非常に重要になります。
12-1.損益分岐点の計算方法
基本的な計算式は次のとおりです。
損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率
限界利益率は、売上高から変動費を差し引いた限界利益が、売上高に占める割合です。
例えば、変動費率40%なら限界利益率は60%となります。
先ほどの月商300万円、家賃80万円のモデルを、さらに分かりやすく整理します。
食材費96万円と広告・決済手数料12万円を売上比例の変動費と仮定します。
・変動費:108万円
・変動費率:36%
・限界利益率:64%
人件費90万円、家賃80万円、水道光熱費18万円、減価償却費・その他15万円を固定費と仮定すると、固定費は203万円です。
203万円÷64%=約317万2,000円
つまり、このモデルでは月商約317万円が営業損益の損益分岐点となります。
ただし、実際の人件費や光熱費には変動する部分もあるため、これは簡略化した試算です。
12-2.営業利益30万円を残すなら?
単に赤字を解消するだけでは、経営に十分な余裕があるとは限りません。
例えば、月間30万円の営業利益を確保したい場合には、
(固定費203万円+目標利益30万円)÷64%
=約364万1,000円
の月商が必要です。
現在の月商300万円から、約64万円の売上増加が必要になります。
ただし、売上が増加したことで追加の人件費が必要になれば、必要売上はさらに高くなる可能性があります。
12-3.売上を増やすか、固定費を減らすか
飲食店の経営改善には、大きく分けて二つの方法があります。
一つは、売上を増やして利益を改善すること。
もう一つは、家賃などの固定費を減らすことです。
例えば、家賃を毎月10万円削減できれば、その他の条件が同じなら毎月10万円の利益改善になります。
一方、限界利益率64%の店舗が、10万円の利益を追加売上で確保するには、
10万円÷64%=約15万6,000円
の売上増加が必要です。
売上を増やすには、集客や接客、料理提供など追加の経営努力が必要になります。
固定費削減には別の難しさがありますが、実現できれば利益改善につながりやすいという特徴があります。
第13章|飲食店の家賃が高すぎる!大家さんへの減額交渉は可能?
店舗経営者が家賃負担を軽減したい場合、家主への賃料減額交渉は一つの選択肢になります。
ただし、交渉すれば必ず減額してもらえるわけではありません。
13-1.家賃の減額は大家さんとの合意が基本
例えば、月額家賃80万円の店舗を70万円へ減額してほしい場合、貸主と借主が合意すれば賃料を変更できます。
月額10万円の減額が実現すれば、年間120万円の経費削減です。
利益率の低い飲食店にとって、年間120万円の削減効果は大きいでしょう。
しかし、大家さんにも固定資産税、建物修繕費、金融機関への借入返済などの負担があります。
単に売上が落ちたという理由だけでは、賃料減額に応じてもらえない可能性があります。
13-2.賃料減額交渉で準備したい資料
減額交渉を行う際には、客観的な資料が重要になります。
例えば、次のような資料です。
・直近12か月の売上推移
・月次損益計算書
・家賃比率の推移
・周辺類似店舗の賃料水準
・今後の経営改善計画
・希望する減額幅と期間
「経営が苦しいから家賃を下げてほしい」という説明だけではなく、なぜ現行賃料が負担となっているのか、どの程度の減額が必要なのかを具体的に示すことが大切です。
また、長期間にわたり賃料滞納なく営業を続けている店舗であれば、継続的な賃貸借関係という点も交渉材料になることがあります。
ただし、交渉の結果は物件や貸主の事情によって異なります。
13-3.借地借家法による賃料減額請求
日本の借地借家法第32条では、建物賃料が経済事情の変動や近隣の同種建物の賃料と比較して不相当となった場合などに、将来に向かって賃料の増減を請求できる制度が定められています。
ただし、この規定が適用されるかどうかは、賃貸借契約の種類や内容などによって異なります。
特に定期建物賃貸借契約では、賃料改定に関する特約によって第32条の適用が除外される場合があります。
また、経営不振や売上減少が生じたことだけで、当然に賃料減額が認められるわけではありません。
法的な賃料減額請求を検討する場合には、不動産取引や賃貸借契約に詳しい弁護士などへ相談することが望ましいでしょう。
13-4.交渉中でも従来の賃料支払いに注意
賃料減額を希望しているからといって、借主の判断だけで支払賃料を減らすことは避けるべきです。
賃料額について争いがある場合には、法律上の扱いや手続きが問題になるためです。
家賃の支払不足が契約違反や滞納として扱われるリスクもあります。
交渉は書面などで記録を残し、合意内容を明確にすることが重要です。
第14章|家賃交渉が難しい場合は?経営改善の具体策
家賃の減額交渉が成立しなかったとしても、直ちに閉店する必要があるとは限りません。
まずは、店舗全体の収益構造を見直すことが重要です。
14-1.メニュー価格を見直す
食材価格や人件費が上昇している場合、適正な価格改定を検討する必要があります。
例えば、月商300万円の店舗が販売数量を維持したまま平均販売単価を5%引き上げられた場合、売上は315万円となります。
追加売上15万円に対して追加費用が発生しなければ、15万円の利益改善につながります。
ただし、実際には価格改定によって来店客数や注文数が変化する可能性があります。
客単価、競合店、顧客満足度を総合的に考慮して判断することが大切です。
14-2.営業時間を見直す
飲食店では、営業時間のすべてが利益に貢献しているとは限りません。
例えば、深夜帯の売上が少ないにもかかわらず、人件費や光熱費が発生している場合には、その時間帯の営業を見直すことも考えられます。
一方、営業時間を短縮することで固定客が離れてしまう可能性もあります。
時間帯別の売上、粗利益、人件費などを分析し、利益につながる営業時間を検討することが重要です。
14-3.食材ロスを削減する
食材ロスの削減も重要です。
仕込み量の調整、在庫管理、メニュー構成の見直しによって、食材廃棄を減らせる場合があります。
例えば月間5万円の食材費削減を実現できれば、年間60万円の利益改善につながります。
ただし、食材の品質や衛生管理を犠牲にするような削減は避けなければなりません。
14-4.広告費と集客効果を見直す
グルメサイトやインターネット広告などに毎月一定額を支払っている場合、費用対効果を確認しましょう。
広告経由の予約数、来店客数、客単価、リピート率などを把握することが重要です。
費用対効果の低い広告を見直し、既存顧客の再来店促進や自社SNSの活用を進める方法も考えられます。
第15章|名古屋で飲食店を経営するなら立地と家賃をどう考える?
名古屋市で飲食店を経営する場合、エリアによって顧客層や立地条件が異なります。
ここでは、代表的な飲食店エリアの特徴を考えてみます。
なお、以下はエリア特性の一般的な説明であり、最新の成約賃料や平均坪単価を示すものではありません。
15-1.名古屋市中区錦三丁目
錦三丁目は、名古屋を代表する繁華街の一つです。
居酒屋、BAR、クラブ、ラウンジ、寿司店、焼肉店など、さまざまな飲食業態が集まっています。
夜間の飲食需要を期待できる一方、同業態の競争や店舗ごとの立地差もあります。
例えば、同じ錦三丁目でも、路面店と空中階店舗では集客方法が異なります。
家賃の高い店舗を選ぶ場合には、視認性や看板条件、営業時間、客単価などを十分に検討する必要があります。
また、錦三丁目ではビルの用途や営業形態によって、許認可、営業時間、カラオケ使用の可否などが問題になる場合があります。
契約前に営業可能な業態を確認することが重要です。
15-2.名古屋市中区栄
栄は商業施設やオフィス、飲食店が集積するエリアです。
ランチ、ディナー、買い物客など、さまざまな需要が考えられます。
ただし、周辺に飲食店が多い場所では、競合との差別化が必要になる場合があります。
家賃が高い立地では、単に人通りが多いという理由だけでなく、店舗のコンセプトと顧客層が一致しているかを確認しましょう。
15-3.名古屋駅周辺
名古屋駅周辺は、オフィス、商業施設、宿泊施設などが集まるエリアです。
出張客やオフィスワーカーなどの飲食需要が期待できます。
一方、物件によっては高額な賃料負担が発生する可能性があります。
ランチ中心なのか、ディナー中心なのかによっても、収益構造は変わります。
営業時間とターゲット顧客を明確にしたうえで物件を選ぶことが大切です。
15-4.金山・大須・今池
金山は鉄道交通の利便性が高く、駅周辺に飲食店が集まるエリアです。
大須は商店街を中心とした街であり、飲食店の業態によっては買い物客や観光客などの需要を検討できます。
今池は飲食店や娯楽施設などが集まる地域として知られています。
ただし、いずれのエリアも店舗の立地、階数、間口、建物設備などによって条件が異なります。
「栄だから高い」「今池だから安い」といった単純な判断ではなく、具体的な物件ごとに比較することが重要です。
第16章|家賃の高い店舗から安い店舗へ移転するべきか?
飲食店の家賃負担が重い場合、家賃の安い店舗へ移転するという選択肢もあります。
しかし、移転にはまとまった費用が発生するため、慎重な判断が必要です。
16-1.家賃80万円から40万円へ移転した場合
例えば、現在の店舗家賃が月額80万円で、移転後の家賃が40万円になるとします。
毎月の家賃削減額は40万円です。
年間では480万円となります。
一見すると大きな改善効果があります。
しかし、移転に伴って内装工事費用、厨房設備費用、保証金、引越費用、広告宣伝費などが発生する場合があります。
また、既存店舗の解約に伴う原状回復費用も考慮する必要があります。
16-2.移転費用1,000万円なら何年で回収?
例えば、移転に伴う初期支出が1,000万円だったとします。
毎月40万円の家賃削減が実現し、売上やほかの経費が変わらない場合、
1,000万円÷40万円=25か月
となります。
つまり、単純計算では約2年1か月で移転費用相当額を回収できることになります。
ただし、これは家賃削減額だけで考えた計算です。
実際には移転後の売上変化、人件費、広告費、借入利息、税金なども考慮する必要があります。
16-3.移転で売上が下がるリスク
家賃が安くなっても、売上が大きく減少すれば、利益が改善しない可能性があります。
例えば、現在の月商が500万円、移転によって家賃が40万円下がったものの、売上が100万円減少したとします。
売上減少に伴って変動費が40万円減ると仮定すると、限界利益は60万円減少します。
家賃削減効果40万円を差し引いても、月間利益は20万円悪化します。
家賃を下げることだけを目的として移転すると、結果的に経営状況が悪くなる可能性もあるのです。
16-4.移転を判断するための3つのポイント
移転を検討する場合には、以下の3つを比較する必要があります。
① 移転前後の売上予測
② 固定費の変化
③ 初期費用の回収期間
また、現在の店舗で築いてきた固定客が、新店舗にも来店してくれるかどうかも重要です。
移転による家賃削減額だけではなく、利益と資金繰りがどのように変化するのかを確認しましょう。
第17章|飲食店を閉店するときの原状回復費用はいくら?
家賃負担が大きく、経営改善も難しい場合には、閉店を検討することがあります。
しかし、飲食店の閉店では、営業をやめれば支出がなくなるとは限りません。
賃貸借契約によっては、退去時に原状回復工事を行う必要があります。
17-1.スケルトン工事とは?
スケルトン工事とは、店舗の内装や設備などを撤去し、契約で定められた状態へ戻す工事です。
飲食店では、厨房設備、客席、間仕切り、床、天井、給排水設備、ダクトなど、さまざまな設備が設置されています。
そのため、退去時の原状回復費用が高額になる場合があります。
ただし、撤去範囲は賃貸借契約や貸主との合意によって異なります。
すべての飲食店にスケルトン工事義務があるわけではありません。
17-2.原状回復費用の仮想事例
例えば、20坪の居酒屋で、原状回復工事の見積額が300万円だったとします。
さらに解約予告期間に相当する賃料などが発生する場合には、閉店費用が膨らむことがあります。
例えば家賃50万円で、契約上6か月前の解約予告が必要であり、その期間の賃料がすべて発生すると仮定すると、
・賃料負担:300万円
・原状回復工事費用:300万円
合計:600万円
となります。
なお、解約予告期間の賃料は、営業終了時期や契約条件によって変わります。
解約予告期間中の賃料と違約金を必ず両方支払うという意味でもありません。
退去時の費用を正しく把握するには、賃貸借契約書を確認することが重要です。
17-3.閉店するなら早めの資金計画が必要
飲食店の閉店費用は、経営者にとって大きな負担になる場合があります。
赤字を補填するために預金を使い続けてしまうと、閉店時に必要な資金が不足する可能性があります。
そのため、営業継続が難しいと感じた段階で、閉店費用も含めた資金計画を立てることが重要です。
第18章|居抜き売却なら原状回復費用を削減できる可能性がある
飲食店を閉店する際、検討したい方法の一つが居抜き売却です。
居抜き売却とは、店舗に設置されている厨房設備や内装などを、次の出店希望者へ譲渡する方法です。
居抜き売却が成立すれば、造作譲渡代金を受け取れる場合があります。
また、貸主との合意によって、原状回復工事の全部または一部を行わずに退去できる可能性もあります。
18-1.造作譲渡によって閉店費用を抑える
例えば、飲食店の造作を300万円で譲渡できたとします。
通常の退去では原状回復費用300万円が必要だったものの、貸主が原状回復義務の免除を認め、次の借主が既存造作を引き継ぐことになった場合には、資金面で大きな違いが生まれます。
ただし、造作譲渡価格が必ず300万円になるわけではありません。
設備の状態、店舗立地、賃貸条件、出店希望者の需要などによって譲渡価格は変化します。
さらに、仲介手数料、設備撤去費用、税金などの負担が発生する場合があります。
18-2.家賃80万円の店舗を居抜き売却する場合
例えば、次のような仮想事例を考えてみましょう。
・月額家賃:80万円
・原状回復工事見積額:400万円
・造作譲渡希望価格:300万円
この店舗で、造作譲渡300万円が成立し、貸主との合意により原状回復義務が免除されたとします。
この場合、原状回復工事費用400万円の負担を回避し、造作譲渡代金300万円を受け取れる可能性があります。
両方を合わせると、通常退去との比較において最大700万円の資金面の差が生まれる計算です。
ただし、これはあくまで仮想事例です。
また、解約予告期間の賃料、未払賃料、保証金の精算、仲介手数料、税金などによって、最終的な手残りは変わります。
居抜き売却が成立したからといって、原状回復義務が自動的になくなるわけではありません。
貸主との合意内容を明確にすることが重要です。
18-3.居抜き売却では貸主の承諾が重要
店舗の造作を第三者へ売却する場合、賃貸借契約の内容を確認する必要があります。
また、次の出店希望者が店舗を利用するためには、新たな賃貸借契約の締結などが必要になる場合があります。
貸主が新たな借主を承諾しなければ、居抜き売却が成立しないこともあります。
そのため、造作譲渡契約だけでなく、貸主との調整や賃貸借契約の条件を慎重に確認する必要があります。
第19章|飲食店の赤字はいつまで我慢するべき?撤退判断の重要性
飲食店経営では、売上が落ち込んでも簡単に閉店を決断できないことがあります。
長年営業してきた店舗への愛着。
従業員への責任。
お客様とのつながり。
開業時に投資した資金。
こうした事情があるからこそ、経営者にとって閉店は非常に難しい判断です。
しかし、赤字が続いている場合には、経営を継続するリスクも冷静に考える必要があります。
19-1.赤字が続くと閉店資金まで失う可能性
例えば、毎月30万円の現金流出が続いている飲食店があったとします。
6か月で180万円。
1年間では360万円です。
仮に手元資金が500万円あったとしても、毎月30万円の流出が続けば、約16〜17か月で資金が尽きる計算になります。
もちろん、実際には売上や費用が変動するため、単純計算どおりにはなりません。
しかし、資金の流出が続けば、いずれ経営継続が難しくなる可能性があります。
19-2.撤退判断は売上ではなく資金繰りで考える
飲食店が営業を続けられるかどうかは、売上金額だけでは判断できません。
重要なのは、現金残高、今後の支払予定、借入返済、税金の納付予定、閉店に必要な費用などです。
例えば、営業利益が黒字でも借入元本返済の負担が大きければ、資金繰りが厳しくなる場合があります。
反対に、一時的に赤字であっても十分な資金があり、改善計画が具体的であれば、営業継続が合理的な場合もあります。
したがって、単に「3か月赤字だから閉店」「家賃比率20%だから撤退」と決めるべきではありません。
店舗ごとの資金状況と改善可能性を考慮して判断する必要があります。
19-3.資金が残っている段階で相談するメリット
居抜き売却では、次の出店希望者を探し、貸主との調整を行い、契約条件を整える必要があります。
そのため、相談した翌日に必ず売却できるものではありません。
資金が完全になくなってから売却を検討すると、希望する条件で交渉する余裕がなくなる可能性があります。
早い段階で居抜き売却の可能性を把握しておけば、営業継続と売却の両方を比較しながら判断できます。
これは、閉店を急がせるという意味ではありません。
経営者が選択肢を失わないために、早めに情報を集めることが大切なのです。
第20章|飲食店の家賃に関するよくある質問Q&A
Q1.飲食店の家賃比率は何%が理想ですか?
10%前後を一つの目標として考えることができます。
ただし、実際の適正比率は業態、原価率、人件費率、立地、利益目標などによって変わります。
Q2.家賃比率15%は高すぎますか?
必ずしも高すぎるとは限りません。
食材原価率や人件費率が低い店舗では利益を確保できる場合があります。
一方、その他の経費負担が大きければ、家賃比率15%でも赤字になる可能性があります。
Q3.家賃比率20%なら閉店するべきですか?
家賃比率だけで閉店を判断することは適切ではありません。
営業利益、資金繰り、売上見通し、借入返済などを総合的に確認する必要があります。
Q4.家賃50万円なら月商はいくら必要ですか?
家賃比率10%を目標とするなら、月商500万円が必要です。
ただし、損益分岐点は食材費や人件費などによって異なります。
Q5.家賃80万円で月商300万円は厳しいですか?
家賃比率は約26.7%です。
一般的には家賃負担が大きい水準ですが、経営の可否は全体の費用構造によって判断する必要があります。
Q6.大家さんに家賃を下げてもらうことはできますか?
貸主と借主が合意すれば変更できます。
また、契約内容や事情によっては借地借家法に基づく賃料減額請求が問題になる場合もあります。
ただし、売上減少だけを理由に当然に減額されるわけではありません。
Q7.家賃が高い店舗は移転した方がよいですか?
移転による家賃削減額だけでなく、移転費用、売上変化、顧客離れ、借入返済なども考慮する必要があります。
移転後の利益と資金繰りを比較して判断しましょう。
Q8.閉店するときは必ずスケルトン工事が必要ですか?
必ず必要というわけではありません。
賃貸借契約の内容や貸主との合意によって異なります。
退去前に原状回復義務の範囲を確認することが重要です。
Q9.居抜き売却すれば原状回復費用は不要になりますか?
必ずしも不要になるわけではありません。
貸主が原状回復義務の免除などに合意した場合、費用削減につながる可能性があります。
Q10.営業中の飲食店でも居抜き売却できますか?
営業中でも売却に向けた相談や募集を行うことは可能です。
ただし、貸主との調整、新たな借主の審査、造作譲渡契約などが必要になる場合があります。
第21章|飲食店オーナーに伝えたいこと。家賃を払うために営業しているわけではない
飲食店の経営者は、毎日さまざまな努力を重ねています。
料理の品質を高めるための仕入れ。
従業員の採用や教育。
お客様への接客。
メニュー開発。
SNSや広告による集客。
そして、毎月の家賃や仕入代金などの支払い。
飲食店を経営するということは、決して簡単なことではありません。
だからこそ、売上が増えても利益が残らない状態が続くことは、経営者にとって大きな負担になるでしょう。
例えば、毎月500万円を売り上げ、年間6,000万円の売上を達成していても、家賃やその他の経費を支払った結果、利益がほとんど残らない場合があります。
一方、売上規模がそれほど大きくなくても、固定費を適切に管理することで安定した利益を確保できる店舗もあります。
飲食店は、売上の大きさだけを競うものではありません。
お客様に喜んでいただける料理やサービスを提供し、従業員が安心して働ける環境を作り、経営者自身も適正な収入を得ながら、長く営業を続けることが大切です。
そのためには、家賃の負担を正しく理解する必要があります。
家賃比率10%を目指すことは一つの方法ですが、それだけで経営が安定するわけではありません。
自分のお店にとって、どの程度の家賃なら十分な利益を確保できるのか。
売上が減少しても営業を続けられるのか。
借入返済や税金の支払いに対応できるのか。
こうした点を把握しておくことが重要です。
飲食店は、家賃を支払うために営業しているのではありません。
お客様に価値を提供し、従業員と経営者が安心して生活できる利益を生み出すために営業しているのです。
もし現在の家賃が経営を大きく圧迫しているのであれば、その状況を放置せず、改善策を検討することが大切です。
賃料減額交渉、経費削減、メニューの見直し、店舗移転。
そして、状況によっては居抜き売却という方法もあります。
経営を続けることだけが成功ではありません。
これまで築いてきた店舗の価値を次の経営者へつなぎ、新たな一歩を踏み出すことも、一つの前向きな経営判断ではないでしょうか。
後編まとめ|家賃比率15%・20%でも諦める前に収益構造を見直そう
今回の後編では、飲食店の家賃負担が大きくなった場合の経営改善方法について解説しました。
家賃比率10%は一つの目標ですが、15%や20%だからといって、必ず赤字になるわけではありません。
重要なのは、家賃を含めた経費を支払った後に十分な利益が残るかどうかです。
月商300万円で家賃80万円の店舗では、家賃比率は約26.7%となります。
仮想モデルでは月間11万円の営業赤字となりました。
しかし、固定費削減や売上改善によって経営状態が変わる可能性もあります。
まずは損益分岐点を把握し、どの程度の売上が必要なのかを確認しましょう。
そのうえで、家賃交渉、メニュー価格の見直し、人件費の適正化、広告費の改善などを検討することが大切です。
それでも経営改善が難しい場合には、移転や居抜き売却も選択肢になります。
飲食店の経営者にとって、最も大切なのは売上の数字だけではありません。
家賃を支払い、すべての経費を負担した後に、どれだけ利益と現金が残るのか。
この考え方を持つことが、長く続けられる飲食店経営につながります。
名古屋で飲食店の家賃負担・閉店・店舗売却にお悩みなら「居抜きの達人」へ
飲食店を経営していると、思いどおりにいかないこともあります。
開業当初は順調だった店舗でも、食材費や人件費の上昇、売上の減少、家賃負担などによって、経営が厳しくなる場合があります。
しかし、これまで大切に営業してきた店舗には、内装、厨房設備、立地、設備など、次の経営者にとって価値となるものが残っているかもしれません。
名古屋市を中心に飲食店の居抜き売却・店舗売却をサポートする「居抜きの達人」では、飲食店オーナー様の立場に寄り添い、少しでも有利な条件で店舗を売却できるよう尽力しています。
長年培ってきた不動産業務の経験、人と人とのつながり、独自のネットワーク、WEBを活用した情報発信を生かし、出店希望者とのマッチングを目指します。
また、居抜き売却では造作譲渡価格だけでなく、貸主との調整、賃貸借契約の条件、原状回復義務、新たな借主の審査なども重要になります。
営業中の飲食店でも、売却について相談することは可能です。
「家賃が高すぎて利益が残らない」
「売上が減少して経営が厳しい」
「店舗を閉店したいが原状回復費用が心配」
「営業中の店舗をできるだけ高く売却したい」
このようなお悩みをお持ちの飲食店オーナー様は、ぜひ居抜きの達人へご相談ください。
私たちは、飲食店オーナー様の大切な店舗を、少しでも高く、少しでも早く、次の経営者へつなぐことを目指しています。
長年営業してきた店舗には、オーナー様の努力や想いが詰まっています。
その価値を少しでも生かせるよう、一件一件のご相談に真摯に向き合ってまいります。
――閉店する店舗にも、まだ価値は残っています。
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免責事項
本記事は2026年10月時点の制度および一般的な飲食店経営の考え方を参考に作成した情報提供を目的とするものです。本文中の賃料、売上、利益、損益分岐点、移転費用、造作譲渡価格等は説明のための仮想事例であり、実際の収益や売却価格を保証するものではありません。賃料減額請求、賃貸借契約の解除、原状回復義務、造作譲渡などの取扱いは契約条件や個別事情によって異なります。法律、税務、融資などの判断については、必要に応じて弁護士、税理士等の専門家へご相談ください。




