【実録】名古屋で飲食店の居抜き売却に失敗した4つの事例|売れなかった本当の理由と撤退費用を徹底解説|居抜きの達人(運営:(株)愛知不動産売却センター)
はじめに|店舗の居抜き売却は、買主を見つけるだけでは成功しません。
名古屋で飲食店を閉店しようと考えているオーナー様へ。
「厨房設備もまだ使える」
「内装もきれいに残っている」
「立地も決して悪くない」
「それなのに、なぜ売れないのだろう?」
飲食店の居抜き売却では、このような状況が実際に起こります。
私たち「居抜きの達人」は、名古屋市を中心に飲食店・店舗の居抜き売却を取り扱ってきました。
これまで多くの店舗売却に携わる中で、希望価格で売却できた店舗もあれば、残念ながら売却が成立しなかった店舗もあります。
そして、売却できなかった理由を振り返ると、必ずしも立地や厨房設備の問題だけではありません。
例えば、次のような原因があります。
売主様の希望価格と市場評価に大きな差がある
共同経営者同士で売却条件がまとまらない
開業時の投資額にこだわり、価格調整が遅れる
貸主が次の飲食店の入居を認めない
管理会社の回答が遅く、買主候補の熱意が薄れてしまう
居抜き売却には、売主様、買主様、貸主様、管理会社など、多くの関係者が関わります。
そのため、店舗そのものに魅力があっても、関係者の判断や対応によって売却の可能性が変わることがあります。
今回は、居抜きの達人が取り扱った実際の不成約事例を4つご紹介します。
成功事例だけでは分からない、店舗売却の難しさ。
そして、現場で経験してきたからこそお伝えできる、売却前に確認すべき重要なポイントを解説します。
※本記事の事例は、実際の取扱内容をもとに、店舗や関係者の特定につながる一部情報を省略して紹介しています。売却価格・費用は各案件の個別事情によるものであり、同様の結果を保証するものではありません。
第1章|【失敗事例①】名古屋市中区錦3丁目のBAR|希望800万円、売却できず原状回復費用240万円
開業時に約1,000万円を投資した高級BAR
最初にご紹介するのは、名古屋市中区錦3丁目にあったBARの事例です。
店舗はビル5階、約11坪。
営業期間は約1年でした。
オーナー様は開業時に約1,000万円を投資し、高級感のある内装をつくり上げていました。
内装にはこだわりがあり、設備も比較的新しい状態でした。
売主様が希望された造作譲渡価格は、800万円。
一方、当時の私たちの査定額は約150万円でした。
希望価格と査定額には大きな差がありました。
なぜ希望価格と市場評価に差があったのか?
飲食店の造作価格は、開業時の投資額だけで決まるわけではありません。
買主が重視するのは、主に次のような条件です。
店舗の立地と階数
月額賃料と初期費用
厨房設備や内装の状態
次の業態への転用可能性
賃貸借契約の条件
出店希望者の需要
今回のBARは内装に高級感がありましたが、そのデザインがすべての買主にとって魅力になるとは限りません。
むしろ、こだわりの強い内装ほど、次の出店者のコンセプトと合わない場合があります。
さらに、この店舗には契約期間3年の定期建物賃貸借契約という条件がありました。
定期建物賃貸借契約は、原則として期間満了によって契約が終了するため、次の出店者がどのような条件で賃借できるのか、慎重に確認する必要があります。
買主にとって、店舗の内装だけでなく、開業後に安定して営業できるかどうかも重要なのです。
約3カ月間の募集でも売却は成立せず
売主様の希望を踏まえ、造作価格800万円で募集を進めました。
しかし、約3カ月間の売却活動でも成約には至りませんでした。
最終的には居抜き売却を断念し、約240万円の原状回復費用が発生しました。
この事例でお伝えしたいのは、売主様の希望価格が高いこと自体を否定するものではありません。
開業時に多額の資金を投じたオーナー様が、その投資を少しでも回収したいと考えるのは自然なことです。
しかし、開業時の投資額と、買主が支払ってもよいと考える造作価格は別物です。
高額で募集する場合には、売却期限や価格見直しのタイミングをあらかじめ決めておくことが重要です。
なお、査定額の150万円であれば必ず売却できた、という意味ではありません。
居抜き売却は、価格以外の条件にも左右されるためです。
第2章|【失敗事例②】名古屋市中区栄2丁目の居酒屋|共同経営者の意見がまとまらず、原状回復費用250万円
友人同士で始めた飲食店
次にご紹介するのは、名古屋市中区栄2丁目にあった居酒屋です。
店舗はビル2階、約18坪。
営業期間は約2年でした。
この店舗は、友人同士の共同経営によって開業されました。
それぞれが資金を出し合い、飲食店の経営を始めたものの、売上が思うように伸びず、経営状況が厳しくなっていきました。
さらに、経営方針を巡る意見の違いから、共同経営者同士の関係も悪化してしまいました。
その結果、店舗売却を検討することになりました。
店舗の立地だけが問題ではなかった
この店舗は、立地条件が極端に悪いというわけではありませんでした。
しかし、売却活動を進めるうえで大きな障害となったのが、共同経営者同士の意見の相違です。
造作価格をいくらに設定するのか。
値下げを認めるのか。
いつまで売却活動を続けるのか。
買主から条件交渉が入った場合、どこまで譲歩するのか。
こうした判断について、共同経営者同士で意見がまとまらない状況がありました。
居抜き売却では、買主から問い合わせが入った際に、速やかに条件を調整する必要があります。
しかし、売主側の意思決定に時間がかかると、商談が進みにくくなります。
約4カ月間の売却活動でも成約せず
結果として、約4カ月間の売却活動でも成約には至りませんでした。
最終的には、約250万円の原状回復費用が発生しました。
この事例から学べるのは、居抜き売却を始める前に、売主側の意思決定を統一しておくことの重要性です。
共同経営の場合、特に次の点を整理しておくことをおすすめします。
誰が最終的な売却判断を行うのか
希望造作価格はいくらか
最低限受け入れられる条件は何か
価格交渉が入った場合、誰が回答するのか
売却できなかった場合の費用をどう負担するのか
売却活動の途中で経営者同士の意見が対立すると、買主との交渉にも影響する可能性があります。
店舗の魅力を伝えることと同じくらい、売主側の意思統一が重要なのです。
第3章|【事例③】名古屋市中区栄4丁目の焼肉店|希望1,200万円から最終300万円で成約
多額の設備投資を行った焼肉店
3つ目は、名古屋市中区栄4丁目にあった焼肉店の事例です。
店舗はビル2階、約20.5坪。
営業期間は約1年2カ月でした。
オーナー様は焼肉店で約7年間の経験を積み、独立開業されました。
店内には天井吊り下げ式の無煙ロースターが10台設置されており、開業時には多額の設備投資が行われていました。
売主様の当初希望価格は、1,200万円。
一方、当時の私たちの査定額は約400万円でした。
高額な設備があっても、希望価格で売れるとは限らない
焼肉店の居抜き売却では、ロースターや排煙設備などが重要な評価対象になる場合があります。
新しく焼肉店を開業する買主にとって、既存設備を利用できれば初期投資を抑えられる可能性があります。
しかし、設備が高額だからといって、造作価格も同じように高くなるわけではありません。
買主は、設備の状態だけでなく、賃料や立地、今後の営業計画などを考慮して判断します。
今回の店舗では、希望価格と市場評価に大きな差がありました。
売却活動を進める中で価格調整を重ね、約4カ月後、最終的に300万円で成約しました。
売れたことと、希望どおりに売れたことは違う
この事例は、厳密には不成約事例ではありません。
最終的に300万円で居抜き売却が成立した事例です。
ただし、当初の希望価格1,200万円と比べると、900万円の差があります。
さらに、売却後も約1,000万円の借入金が残りました。
ここで重要なのは、居抜き売却が成立しても、開業時の投資や借入金をすべて回収できるとは限らないということです。
私たちは、オーナー様の希望を尊重しながらも、市場の需要に基づいた価格設定を大切にしています。
売却価格だけではなく、売却期間と最終的な撤退収支を考えること。
それが、この事例から得られる教訓です。
第4章|【失敗事例④】名古屋市中区大須3丁目のカフェ|買主候補が現れたのに売却できなかった理由
造作価格400万円で募集したカフェ
4つ目は、名古屋市中区大須3丁目にあったカフェです。
店舗は1階、約13坪。
ご夫婦で約4年間営業されていました。
厨房設備や内装が残っており、造作価格400万円で売却活動を進めました。
募集に対して購入希望者からの反応もあり、売却の可能性が検討されていました。
しかし、ここで大きな問題が発生しました。
貸主が、次のテナントについて飲食店の入居を認めなかったのです。
買主がいても、大家が認めなければ売却できない
居抜き売却は、単に厨房設備や内装を売るだけの取引ではありません。
次の出店者が店舗を借りるためには、貸主との賃貸借契約が必要になるのが一般的です。
そのため、買主が造作を購入したいと希望しても、貸主が新たな賃貸借契約を認めなければ、居抜きでの引継ぎは成立しない場合があります。
このカフェでも、買主候補から反応があったものの、貸主が飲食店の再入居を認めなかったため、売却は成立しませんでした。
結果として、約160万円の原状回復費用が発生しました。
厨房設備については、中古厨房機器業者へ個別に売却することになりました。
この事例で最も重要だったこと
この事例から分かるのは、居抜き売却を始める前に、貸主の意向を確認することの重要性です。
もちろん、貸主の方針は物件ごとに異なります。
飲食店の再入居を認める場合もあれば、特定の業態だけを認める場合もあります。
また、建物の老朽化や改修計画などを理由に、飲食店の募集を行わない場合も考えられます。
買主を探す前に、次のような条件を確認しておくことが大切です。
次のテナントも飲食店として入居できるか
業態に制限があるか
厨房設備や内装を残置できるか
原状回復義務をどのように扱うか
新しい賃貸条件はどうなるか
売主様が希望する価格で買主候補が現れても、貸主の条件によっては売却できないことがあります。
居抜き売却では、買主探しと同じくらい、貸主との条件確認が重要なのです。
第5章|管理会社のレスポンスが遅すぎる!買主候補の気持ちが冷めてしまう問題
居抜き売却の現場で起こる、見えにくい機会損失
ここからは、私たちが店舗売却の実務で重要だと感じている問題を取り上げます。
それが、管理会社や貸主からの回答が遅いことで、買主候補の購入意欲が低下してしまう問題です。
居抜き売却では、買主候補が店舗を気に入ったとしても、その場ですべての条件が決まるわけではありません。
例えば、次のような確認が必要になる場合があります。
「この業態で入居できますか?」
「深夜営業は可能ですか?」
「賃料や保証金はいくらになりますか?」
「厨房設備はそのまま使えますか?」
「看板の設置は認められますか?」
「保証会社の審査はいつ始められますか?」
こうした質問に対して、管理会社や貸主の回答を待つ必要があります。
問題は、その回答に時間がかかりすぎる場合です。
買主の気持ちは、いつまでも同じではない
飲食店の出店希望者は、通常、一つの物件だけを検討しているわけではありません。
複数の店舗を比較しながら、立地、家賃、初期費用、厨房設備、開業時期などを検討しています。
例えば、ある居抜き店舗を気に入った買主が、業態の承諾について確認を依頼したとします。
しかし、数日経っても回答がない。
問い合わせても、確認中という返答が続く。
その間に、別の物件で条件がまとまりそうになる。
すると、最初は非常に購入意欲が高かった買主でも、次第に気持ちが変わってしまうことがあります。
「最初は本当に気に入っていたのに、待っている間に気持ちが冷めてしまった」
店舗仲介の現場では、このような問題を軽視できません。
回答の遅れが売主様に与える影響
管理会社の回答が遅れることによって、影響を受けるのは買主だけではありません。
売主様にも大きな負担が生じる可能性があります。
例えば、月額賃料が30万円の店舗で、条件確認や審査が1カ月遅れた場合、契約終了時期によっては30万円の追加家賃が発生することがあります。
さらに、営業を続けていれば、人件費や光熱費などの負担もあります。
買主候補が離脱してしまえば、新たな買主を探すところからやり直しになる場合もあります。
売却期限が迫っていれば、造作価格の見直しを迫られることも考えられます。
つまり、管理会社のレスポンスの遅さが、売主様の撤退費用や売却機会に影響する可能性があるのです。
管理会社にも事情がある。それでも迅速な対応が重要
もちろん、管理会社の回答が遅いからといって、必ずしも担当者が怠慢であるとは限りません。
貸主への確認に時間がかかる場合もあります。
複数の所有者の承諾が必要な場合もあります。
保証会社の審査や建物設備の確認など、すぐに結論を出せない事情がある場合もあります。
だからこそ、重要なのは、回答に時間がかかる理由と、いつ頃回答できる見込みなのかを共有することです。
「現在、貸主に確認中です」
「〇日頃までに回答できる見込みです」
「この条件は承諾可能ですが、こちらは追加確認が必要です」
こうした途中経過が分かるだけでも、買主候補は検討を続けやすくなります。
逆に、何の連絡もない状態が長く続けば、不安が大きくなるのは当然でしょう。
居抜キング・居抜きの達人が大切にしていること
私たちは、居抜き売却ではスピードが重要だと考えています。
ただし、早ければ何でもよいという意味ではありません。
契約条件を十分に確認せず、急いで進めれば、後からトラブルになる可能性があります。
大切なのは、必要な確認を行いながら、できるだけ無駄な待ち時間を減らすことです。
そのために、売却活動の初期段階から、貸主や管理会社の条件を確認することが重要です。
また、買主から質問があった場合には、確認事項を整理し、関係者間で情報を共有することが必要です。
居抜き売却では、良い物件を紹介するだけでは足りません。
買主の熱意があるうちに、必要な条件を整えていくことも重要な仕事なのです。
第6章|4つの事例から見えた、居抜き売却に失敗しないための7つの教訓
① 開業時の投資額にこだわりすぎない
造作価格は、開業時の投資額だけでは決まりません。
次の買主がその設備や内装をどの程度活用できるかによって評価が変わります。
高額売却を目指すことは大切ですが、市場の需要とのバランスを考える必要があります。
② 売却期限を決めておく
売却活動が長引くと、家賃やその他の費用が増える場合があります。
希望価格で一定期間募集しても反応が少ない場合は、価格や募集条件を見直すことも検討しましょう。
③ 共同経営者の意見をまとめる
共同経営の場合、売却価格や契約条件について、事前に合意しておくことが重要です。
買主から条件交渉が入った際、迅速に判断できる体制を整えておきましょう。
④ 貸主の承諾条件を早期に確認する
買主が見つかっても、貸主が新たな賃貸借契約を認めなければ、売却できない場合があります。
居抜き売却を始める前に、飲食店の再入居や業態制限などを確認しましょう。
⑤ 管理会社との連絡体制を整える
条件確認や入居審査の回答が遅れると、買主候補の購入意欲が低下する可能性があります。
確認事項を整理し、回答時期の目安を共有することが重要です。
⑥ 売却できなかった場合の撤退費用も把握する
居抜き売却には、必ず成約するという保証はありません。
そのため、原状回復費用や設備処分費用などを事前に確認しておくことが大切です。
⑦ 造作価格ではなく、最終的な撤退収支を考える
造作価格が高くても、売却期間が長引けば家賃負担が増える可能性があります。
一方、早期に売却できれば、追加の費用を抑えられる場合があります。
大切なのは、売却価格・売却期間・撤退費用を総合的に考えることです。
まとめ|売れなかった理由を知ることが、次の売却成功につながる
今回ご紹介した4つの事例は、それぞれ売却結果や問題点が異なります。
錦3丁目のBARでは、希望価格と市場評価の大きな差がありました。
栄2丁目の居酒屋では、共同経営者同士の意見がまとまらず、売却活動が難航しました。
栄4丁目の焼肉店では、当初の希望価格から大幅に価格を見直し、最終的に成約しました。
大須3丁目のカフェでは、買主候補からの反応があったものの、貸主が飲食店の再入居を認めず、売却できませんでした。
さらに、管理会社や貸主からの回答が遅れることによって、買主候補の購入意欲が低下するという問題もあります。
これらの事例から分かるのは、居抜き売却の成否は、店舗の立地や厨房設備だけで決まるものではないということです。
造作価格。
売却期限。
売主側の意思決定。
貸主の承諾。
管理会社の対応。
買主の入居審査。
こうした条件が重なり合って、売却結果が決まります。
私たち居抜きの達人は、成功事例だけでなく、売却できなかった事例からも学び続けたいと考えています。
なぜ売れなかったのか。
何が障害になったのか。
もっと早く確認できることはなかったのか。
こうした経験を、次の店舗売却に活かしていくことが重要だと考えています。
1円でも高く。
1日でも早く。
そして、オーナー様の撤退費用を少しでも減らすために。
これからも、一件一件の店舗売却に真剣に向き合ってまいります。
名古屋で飲食店・店舗を居抜き売却したいオーナー様へ
「店舗を閉店する前に、売却できるか知りたい」
「造作価格がいくらになるのか査定してほしい」
「大家が居抜き売却を認めてくれるか不安」
「管理会社との調整がなかなか進まない」
「赤字店舗でも売却できるか相談したい」
「原状回復費用をできるだけ抑えたい」
そんなお悩みをお持ちのオーナー様は、ぜひ居抜きの達人へご相談ください。
私たちは、名古屋市を中心に愛知県全域で、飲食店・店舗の居抜き売却をサポートしています。
長年の不動産業務で培ってきた経験、人脈、WEBを活かし、店舗の条件に合う買主探しに取り組んでいます。
売却できる可能性だけでなく、売却が難しい条件や、売却できなかった場合のリスクについても、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと考えています。
大切なお店を、少しでも良い条件で次の出店者へ。
そして、オーナー様が安心して次のステージへ進めるように。
名古屋で飲食店を閉店しようと考えているオーナー様へ。
「厨房設備もまだ使える」
「内装もきれいに残っている」
「立地も決して悪くない」
「それなのに、なぜ売れないのだろう?」
飲食店の居抜き売却では、このような状況が実際に起こります。
私たち「居抜きの達人」は、名古屋市を中心に飲食店・店舗の居抜き売却を取り扱ってきました。
これまで多くの店舗売却に携わる中で、希望価格で売却できた店舗もあれば、残念ながら売却が成立しなかった店舗もあります。
そして、売却できなかった理由を振り返ると、必ずしも立地や厨房設備の問題だけではありません。
例えば、次のような原因があります。
売主様の希望価格と市場評価に大きな差がある
共同経営者同士で売却条件がまとまらない
開業時の投資額にこだわり、価格調整が遅れる
貸主が次の飲食店の入居を認めない
管理会社の回答が遅く、買主候補の熱意が薄れてしまう
居抜き売却には、売主様、買主様、貸主様、管理会社など、多くの関係者が関わります。
そのため、店舗そのものに魅力があっても、関係者の判断や対応によって売却の可能性が変わることがあります。
今回は、居抜きの達人が取り扱った実際の不成約事例を4つご紹介します。
成功事例だけでは分からない、店舗売却の難しさ。
そして、現場で経験してきたからこそお伝えできる、売却前に確認すべき重要なポイントを解説します。
※本記事の事例は、実際の取扱内容をもとに、店舗や関係者の特定につながる一部情報を省略して紹介しています。売却価格・費用は各案件の個別事情によるものであり、同様の結果を保証するものではありません。
第1章|【失敗事例①】名古屋市中区錦3丁目のBAR|希望800万円、売却できず原状回復費用240万円
開業時に約1,000万円を投資した高級BAR
最初にご紹介するのは、名古屋市中区錦3丁目にあったBARの事例です。
店舗はビル5階、約11坪。
営業期間は約1年でした。
オーナー様は開業時に約1,000万円を投資し、高級感のある内装をつくり上げていました。
内装にはこだわりがあり、設備も比較的新しい状態でした。
売主様が希望された造作譲渡価格は、800万円。
一方、当時の私たちの査定額は約150万円でした。
希望価格と査定額には大きな差がありました。
なぜ希望価格と市場評価に差があったのか?
飲食店の造作価格は、開業時の投資額だけで決まるわけではありません。
買主が重視するのは、主に次のような条件です。
店舗の立地と階数
月額賃料と初期費用
厨房設備や内装の状態
次の業態への転用可能性
賃貸借契約の条件
出店希望者の需要
今回のBARは内装に高級感がありましたが、そのデザインがすべての買主にとって魅力になるとは限りません。
むしろ、こだわりの強い内装ほど、次の出店者のコンセプトと合わない場合があります。
さらに、この店舗には契約期間3年の定期建物賃貸借契約という条件がありました。
定期建物賃貸借契約は、原則として期間満了によって契約が終了するため、次の出店者がどのような条件で賃借できるのか、慎重に確認する必要があります。
買主にとって、店舗の内装だけでなく、開業後に安定して営業できるかどうかも重要なのです。
約3カ月間の募集でも売却は成立せず
売主様の希望を踏まえ、造作価格800万円で募集を進めました。
しかし、約3カ月間の売却活動でも成約には至りませんでした。
最終的には居抜き売却を断念し、約240万円の原状回復費用が発生しました。
この事例でお伝えしたいのは、売主様の希望価格が高いこと自体を否定するものではありません。
開業時に多額の資金を投じたオーナー様が、その投資を少しでも回収したいと考えるのは自然なことです。
しかし、開業時の投資額と、買主が支払ってもよいと考える造作価格は別物です。
高額で募集する場合には、売却期限や価格見直しのタイミングをあらかじめ決めておくことが重要です。
なお、査定額の150万円であれば必ず売却できた、という意味ではありません。
居抜き売却は、価格以外の条件にも左右されるためです。
第2章|【失敗事例②】名古屋市中区栄2丁目の居酒屋|共同経営者の意見がまとまらず、原状回復費用250万円
友人同士で始めた飲食店
次にご紹介するのは、名古屋市中区栄2丁目にあった居酒屋です。
店舗はビル2階、約18坪。
営業期間は約2年でした。
この店舗は、友人同士の共同経営によって開業されました。
それぞれが資金を出し合い、飲食店の経営を始めたものの、売上が思うように伸びず、経営状況が厳しくなっていきました。
さらに、経営方針を巡る意見の違いから、共同経営者同士の関係も悪化してしまいました。
その結果、店舗売却を検討することになりました。
店舗の立地だけが問題ではなかった
この店舗は、立地条件が極端に悪いというわけではありませんでした。
しかし、売却活動を進めるうえで大きな障害となったのが、共同経営者同士の意見の相違です。
造作価格をいくらに設定するのか。
値下げを認めるのか。
いつまで売却活動を続けるのか。
買主から条件交渉が入った場合、どこまで譲歩するのか。
こうした判断について、共同経営者同士で意見がまとまらない状況がありました。
居抜き売却では、買主から問い合わせが入った際に、速やかに条件を調整する必要があります。
しかし、売主側の意思決定に時間がかかると、商談が進みにくくなります。
約4カ月間の売却活動でも成約せず
結果として、約4カ月間の売却活動でも成約には至りませんでした。
最終的には、約250万円の原状回復費用が発生しました。
この事例から学べるのは、居抜き売却を始める前に、売主側の意思決定を統一しておくことの重要性です。
共同経営の場合、特に次の点を整理しておくことをおすすめします。
誰が最終的な売却判断を行うのか
希望造作価格はいくらか
最低限受け入れられる条件は何か
価格交渉が入った場合、誰が回答するのか
売却できなかった場合の費用をどう負担するのか
売却活動の途中で経営者同士の意見が対立すると、買主との交渉にも影響する可能性があります。
店舗の魅力を伝えることと同じくらい、売主側の意思統一が重要なのです。
第3章|【事例③】名古屋市中区栄4丁目の焼肉店|希望1,200万円から最終300万円で成約
多額の設備投資を行った焼肉店
3つ目は、名古屋市中区栄4丁目にあった焼肉店の事例です。
店舗はビル2階、約20.5坪。
営業期間は約1年2カ月でした。
オーナー様は焼肉店で約7年間の経験を積み、独立開業されました。
店内には天井吊り下げ式の無煙ロースターが10台設置されており、開業時には多額の設備投資が行われていました。
売主様の当初希望価格は、1,200万円。
一方、当時の私たちの査定額は約400万円でした。
高額な設備があっても、希望価格で売れるとは限らない
焼肉店の居抜き売却では、ロースターや排煙設備などが重要な評価対象になる場合があります。
新しく焼肉店を開業する買主にとって、既存設備を利用できれば初期投資を抑えられる可能性があります。
しかし、設備が高額だからといって、造作価格も同じように高くなるわけではありません。
買主は、設備の状態だけでなく、賃料や立地、今後の営業計画などを考慮して判断します。
今回の店舗では、希望価格と市場評価に大きな差がありました。
売却活動を進める中で価格調整を重ね、約4カ月後、最終的に300万円で成約しました。
売れたことと、希望どおりに売れたことは違う
この事例は、厳密には不成約事例ではありません。
最終的に300万円で居抜き売却が成立した事例です。
ただし、当初の希望価格1,200万円と比べると、900万円の差があります。
さらに、売却後も約1,000万円の借入金が残りました。
ここで重要なのは、居抜き売却が成立しても、開業時の投資や借入金をすべて回収できるとは限らないということです。
私たちは、オーナー様の希望を尊重しながらも、市場の需要に基づいた価格設定を大切にしています。
売却価格だけではなく、売却期間と最終的な撤退収支を考えること。
それが、この事例から得られる教訓です。
第4章|【失敗事例④】名古屋市中区大須3丁目のカフェ|買主候補が現れたのに売却できなかった理由
造作価格400万円で募集したカフェ
4つ目は、名古屋市中区大須3丁目にあったカフェです。
店舗は1階、約13坪。
ご夫婦で約4年間営業されていました。
厨房設備や内装が残っており、造作価格400万円で売却活動を進めました。
募集に対して購入希望者からの反応もあり、売却の可能性が検討されていました。
しかし、ここで大きな問題が発生しました。
貸主が、次のテナントについて飲食店の入居を認めなかったのです。
買主がいても、大家が認めなければ売却できない
居抜き売却は、単に厨房設備や内装を売るだけの取引ではありません。
次の出店者が店舗を借りるためには、貸主との賃貸借契約が必要になるのが一般的です。
そのため、買主が造作を購入したいと希望しても、貸主が新たな賃貸借契約を認めなければ、居抜きでの引継ぎは成立しない場合があります。
このカフェでも、買主候補から反応があったものの、貸主が飲食店の再入居を認めなかったため、売却は成立しませんでした。
結果として、約160万円の原状回復費用が発生しました。
厨房設備については、中古厨房機器業者へ個別に売却することになりました。
この事例で最も重要だったこと
この事例から分かるのは、居抜き売却を始める前に、貸主の意向を確認することの重要性です。
もちろん、貸主の方針は物件ごとに異なります。
飲食店の再入居を認める場合もあれば、特定の業態だけを認める場合もあります。
また、建物の老朽化や改修計画などを理由に、飲食店の募集を行わない場合も考えられます。
買主を探す前に、次のような条件を確認しておくことが大切です。
次のテナントも飲食店として入居できるか
業態に制限があるか
厨房設備や内装を残置できるか
原状回復義務をどのように扱うか
新しい賃貸条件はどうなるか
売主様が希望する価格で買主候補が現れても、貸主の条件によっては売却できないことがあります。
居抜き売却では、買主探しと同じくらい、貸主との条件確認が重要なのです。
第5章|管理会社のレスポンスが遅すぎる!買主候補の気持ちが冷めてしまう問題
居抜き売却の現場で起こる、見えにくい機会損失
ここからは、私たちが店舗売却の実務で重要だと感じている問題を取り上げます。
それが、管理会社や貸主からの回答が遅いことで、買主候補の購入意欲が低下してしまう問題です。
居抜き売却では、買主候補が店舗を気に入ったとしても、その場ですべての条件が決まるわけではありません。
例えば、次のような確認が必要になる場合があります。
「この業態で入居できますか?」
「深夜営業は可能ですか?」
「賃料や保証金はいくらになりますか?」
「厨房設備はそのまま使えますか?」
「看板の設置は認められますか?」
「保証会社の審査はいつ始められますか?」
こうした質問に対して、管理会社や貸主の回答を待つ必要があります。
問題は、その回答に時間がかかりすぎる場合です。
買主の気持ちは、いつまでも同じではない
飲食店の出店希望者は、通常、一つの物件だけを検討しているわけではありません。
複数の店舗を比較しながら、立地、家賃、初期費用、厨房設備、開業時期などを検討しています。
例えば、ある居抜き店舗を気に入った買主が、業態の承諾について確認を依頼したとします。
しかし、数日経っても回答がない。
問い合わせても、確認中という返答が続く。
その間に、別の物件で条件がまとまりそうになる。
すると、最初は非常に購入意欲が高かった買主でも、次第に気持ちが変わってしまうことがあります。
「最初は本当に気に入っていたのに、待っている間に気持ちが冷めてしまった」
店舗仲介の現場では、このような問題を軽視できません。
回答の遅れが売主様に与える影響
管理会社の回答が遅れることによって、影響を受けるのは買主だけではありません。
売主様にも大きな負担が生じる可能性があります。
例えば、月額賃料が30万円の店舗で、条件確認や審査が1カ月遅れた場合、契約終了時期によっては30万円の追加家賃が発生することがあります。
さらに、営業を続けていれば、人件費や光熱費などの負担もあります。
買主候補が離脱してしまえば、新たな買主を探すところからやり直しになる場合もあります。
売却期限が迫っていれば、造作価格の見直しを迫られることも考えられます。
つまり、管理会社のレスポンスの遅さが、売主様の撤退費用や売却機会に影響する可能性があるのです。
管理会社にも事情がある。それでも迅速な対応が重要
もちろん、管理会社の回答が遅いからといって、必ずしも担当者が怠慢であるとは限りません。
貸主への確認に時間がかかる場合もあります。
複数の所有者の承諾が必要な場合もあります。
保証会社の審査や建物設備の確認など、すぐに結論を出せない事情がある場合もあります。
だからこそ、重要なのは、回答に時間がかかる理由と、いつ頃回答できる見込みなのかを共有することです。
「現在、貸主に確認中です」
「〇日頃までに回答できる見込みです」
「この条件は承諾可能ですが、こちらは追加確認が必要です」
こうした途中経過が分かるだけでも、買主候補は検討を続けやすくなります。
逆に、何の連絡もない状態が長く続けば、不安が大きくなるのは当然でしょう。
居抜キング・居抜きの達人が大切にしていること
私たちは、居抜き売却ではスピードが重要だと考えています。
ただし、早ければ何でもよいという意味ではありません。
契約条件を十分に確認せず、急いで進めれば、後からトラブルになる可能性があります。
大切なのは、必要な確認を行いながら、できるだけ無駄な待ち時間を減らすことです。
そのために、売却活動の初期段階から、貸主や管理会社の条件を確認することが重要です。
また、買主から質問があった場合には、確認事項を整理し、関係者間で情報を共有することが必要です。
居抜き売却では、良い物件を紹介するだけでは足りません。
買主の熱意があるうちに、必要な条件を整えていくことも重要な仕事なのです。
第6章|4つの事例から見えた、居抜き売却に失敗しないための7つの教訓
① 開業時の投資額にこだわりすぎない
造作価格は、開業時の投資額だけでは決まりません。
次の買主がその設備や内装をどの程度活用できるかによって評価が変わります。
高額売却を目指すことは大切ですが、市場の需要とのバランスを考える必要があります。
② 売却期限を決めておく
売却活動が長引くと、家賃やその他の費用が増える場合があります。
希望価格で一定期間募集しても反応が少ない場合は、価格や募集条件を見直すことも検討しましょう。
③ 共同経営者の意見をまとめる
共同経営の場合、売却価格や契約条件について、事前に合意しておくことが重要です。
買主から条件交渉が入った際、迅速に判断できる体制を整えておきましょう。
④ 貸主の承諾条件を早期に確認する
買主が見つかっても、貸主が新たな賃貸借契約を認めなければ、売却できない場合があります。
居抜き売却を始める前に、飲食店の再入居や業態制限などを確認しましょう。
⑤ 管理会社との連絡体制を整える
条件確認や入居審査の回答が遅れると、買主候補の購入意欲が低下する可能性があります。
確認事項を整理し、回答時期の目安を共有することが重要です。
⑥ 売却できなかった場合の撤退費用も把握する
居抜き売却には、必ず成約するという保証はありません。
そのため、原状回復費用や設備処分費用などを事前に確認しておくことが大切です。
⑦ 造作価格ではなく、最終的な撤退収支を考える
造作価格が高くても、売却期間が長引けば家賃負担が増える可能性があります。
一方、早期に売却できれば、追加の費用を抑えられる場合があります。
大切なのは、売却価格・売却期間・撤退費用を総合的に考えることです。
まとめ|売れなかった理由を知ることが、次の売却成功につながる
今回ご紹介した4つの事例は、それぞれ売却結果や問題点が異なります。
錦3丁目のBARでは、希望価格と市場評価の大きな差がありました。
栄2丁目の居酒屋では、共同経営者同士の意見がまとまらず、売却活動が難航しました。
栄4丁目の焼肉店では、当初の希望価格から大幅に価格を見直し、最終的に成約しました。
大須3丁目のカフェでは、買主候補からの反応があったものの、貸主が飲食店の再入居を認めず、売却できませんでした。
さらに、管理会社や貸主からの回答が遅れることによって、買主候補の購入意欲が低下するという問題もあります。
これらの事例から分かるのは、居抜き売却の成否は、店舗の立地や厨房設備だけで決まるものではないということです。
造作価格。
売却期限。
売主側の意思決定。
貸主の承諾。
管理会社の対応。
買主の入居審査。
こうした条件が重なり合って、売却結果が決まります。
私たち居抜きの達人は、成功事例だけでなく、売却できなかった事例からも学び続けたいと考えています。
なぜ売れなかったのか。
何が障害になったのか。
もっと早く確認できることはなかったのか。
こうした経験を、次の店舗売却に活かしていくことが重要だと考えています。
1円でも高く。
1日でも早く。
そして、オーナー様の撤退費用を少しでも減らすために。
これからも、一件一件の店舗売却に真剣に向き合ってまいります。
名古屋で飲食店・店舗を居抜き売却したいオーナー様へ
「店舗を閉店する前に、売却できるか知りたい」
「造作価格がいくらになるのか査定してほしい」
「大家が居抜き売却を認めてくれるか不安」
「管理会社との調整がなかなか進まない」
「赤字店舗でも売却できるか相談したい」
「原状回復費用をできるだけ抑えたい」
そんなお悩みをお持ちのオーナー様は、ぜひ居抜きの達人へご相談ください。
私たちは、名古屋市を中心に愛知県全域で、飲食店・店舗の居抜き売却をサポートしています。
長年の不動産業務で培ってきた経験、人脈、WEBを活かし、店舗の条件に合う買主探しに取り組んでいます。
売却できる可能性だけでなく、売却が難しい条件や、売却できなかった場合のリスクについても、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと考えています。
大切なお店を、少しでも良い条件で次の出店者へ。
そして、オーナー様が安心して次のステージへ進めるように。
――動いた者だけが、得をする。
名古屋市の店舗売却ー居抜きの達人
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
居抜きの達人|運営:株式会社 愛知不動産売却センター
〒461-0005
名古屋市東区東桜二丁目12番25号 メゾン森703
TEL:052-380-4206
名古屋市の飲食店の居抜き売却ー居抜キング
売れない物件を次のご縁へー名古屋仏縁不動産
名古屋市を中心に愛知県全域対応
飲食店売却・店舗売却・居抜き売却・造作譲渡
査定・ご相談無料/秘密厳守
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
名古屋市の店舗売却ー居抜きの達人
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
居抜きの達人|運営:株式会社 愛知不動産売却センター
〒461-0005
名古屋市東区東桜二丁目12番25号 メゾン森703
TEL:052-380-4206
名古屋市の飲食店の居抜き売却ー居抜キング
売れない物件を次のご縁へー名古屋仏縁不動産
名古屋市を中心に愛知県全域対応
飲食店売却・店舗売却・居抜き売却・造作譲渡
査定・ご相談無料/秘密厳守
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




